絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

絵の値段4

2009-07-02 | 画家の独り事
田植え前の水が入った田んぼです。
私の4号の水彩画です。

三回に亘って絵の値段を考えて来ました。
もう一つだけ、考えてみたいのは、誰がその絵をほしがるかで、絵の値段が変わってしまうということです。
言葉は悪いですが、貧乏人の二人が欲しがった場合と、大富豪の二人が欲しがった場合では、その絵につける値段が違ってくるということは、想像がつくでしょう。

ということは、誰が欲しがるかで、絵の値段は変わるということです。

これも、考える一つでしょう。
絵に値段が付いていたとして、こんな絵が何でこんなに高い値段なのか!と腹が立つことがありますが、それは、単に絵のレベルの問題だけではないということなのです。

なんだか、納得がいかない気がします。

私たちは、絵の展覧会で審査をする場合、誰が描いたかは見ません。純粋に絵の良し悪しだけで審査します。その時の評価が純粋な絵の評価だと思います。
だから、極端な話ですが、例え西洋の有名な絵画だったとしても、良くなければ落ちることもあり得ます。

何でも鑑定団などという番組がありますが、その方たちは品物を値段にします。
そのときに、どういう判断になるのかといえば、この絵の審査とは別の観点、即ち、誰が描いたか、その画家の絵が今までどのくらいの値段で売買されてきたか、
その画家の絵としては珍しいものかどうか、同じような絵がたくさんあるのか、などが加味されての判断になるのだと思います。

大抵は、偽物は本物よりも出来が悪く、やはり本物はいいねという場合が多いのですが、もし、偽物の方が出来が良かったらどうなるのかなとふと思います。
画家は、模写ということをしますが、その時に原作者より良い絵にしてしまうことだってあり得るのです。

現に、ルーベンスの絵がどちらが本物かわからないで、どちらも本物と同じ値段で取引されているという例があるのです。

この話はまだまだ語れますが、結論めいたことを言えば、私の希望は「絵の良し悪しに比例して、値段がついて欲しい」と思います。





コメント (2)
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