絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

セザンヌの絵

2009-07-17 | 美術
この絵何だか変ですよ。

どこが、変ですか?

  腕が長くないですか?

  耳が大きくないですか?

  左腕の肘の形がつながっていないでしょ?

  胸と肩のつながりがおかしいですよ。

  左手が大きすぎます。

セザンヌは、間違えたのでしょうか?

それは、違います。

セザンヌは、わざとやっているのです。
これが、印象派から後期印象派への移行なのです。そして、それをもっと徹底したのが、ピカソのキュービズムでした。

印象派が見えるとおりの絵画を追究して失敗し、写真の発明もあって、絵画は絵画としての在り方を求めて独自の道を歩み始めます。
そのときに、セザンヌは、このような絵画を始めたのです。

それを徹底的に進めたのが、ピカソでした。

それは、多視点の絵画と言われます。

考えてみると、「見えるとおりに描く」という私たちが当たり前に考えていた絵画は、きちんと説明すると、「ある時点での、ある一点から見えるとおり」ということなのです。

それに対して、そういうものは写真で簡単にできるという時代がやってきてしまいました。それで、画家は失業の危機になったのです。

もう、画家はいらない。画家のような訓練を積まない素人が、簡単に見える通りを残せるようになったのです。これは、驚きでした。


それまでの写真がない時代は、見える形で何かを残そうと思ったら、絵に描くしか方法がありませんでした。そして、それは、本当に技術的に優れた画家でないと、誰もが納得するような本物そっくりに残すことはできなかったのです。

それが、壊れました。

だから、記録という面だけで見ると、絵は必要ない時代になったのです。

そこで、絵の存在価値が問われます。
そして、見つけ出したのが、後期印象派の三人、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンでした。セザンヌは、理想の構図を求めて、見えるとおりでない絵画を始めます。それが、先ほどのチョッキを着た少年でも見られます。
ゴッホは、絵に感情を入れました。ゴーギャンは装飾的で平面的な絵画を見つけ出しました。日本ブームが起こって、影響を受けたといわれています。

この三人のやったことは、写真では実現できません。だから絵の新しい価値観が生まれたといえます。

この話は、言い出すと止まりません。しかし、本質はいまお話した辺りです。
その辺を考えて、このおかしいなあと思える絵を見ると、なぜ、セザンヌがこのように描いたかが、わかります。

形が違うからこそ、魅力があるということが出てきたのです。
難しく言うと、デフォルメといいます。

他のことにも通じますので、考えてみてください。




コメント (4)
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