絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

デッサンの思い出

2009-07-30 | 思い出
高校時代の話をします。

私は、デッサンが下手でした。
美大受験には、デッサンが必要で、そのためには適当な取り組みでは済まない事を知り、専門に勉強をしなければならないということで、美術室でデッサンをやらせてもらうことになりました。

美術部に入るつもりもなく、デッサンだけをやりに通いましたが、いつの間にか美術部員の扱いを受けるようになり、卒業の時は、立派な美術部員になっていました。

しかし、デッサンというのは、なんでこんなに難しいのだろうとつくづく思いました。上手くならないまま、一年半が経過して、受験を迎えてしまいました。
卒業した先輩にデッサンを見てもらったとき、先輩がこう言いました。

「菅野君、デッサンは枚数だからたくさん描けば上手くなるのよ、頑張ってね」

でした。

おいおい、本当かよ、たくさん描いたって上手くなりそうもないぞ、下手な私を慰めようと思って、言ってくれたのかなとその時は思いました。

そのくらい、下手でした。

しかし、私はよく嫌にならなかったなあと思います。いや、嫌になったのです。だから、いつもだらだらしていました。本気になってなかったのです。
言いかえれば、甘かった。

本気になれば、もっとやり方があったはずです。バスケットならこんなときどうするということを経験していたのに、それをしませんでした。絵は違うと思っていたのです。

ですから、誰かが言った、「描けない人の気持は、描ける人にはわからない」というのも、そのとき経験しました。

しかし、そんな私でも、やはり、上手くなりたいのです。それにはどうすればいいのか、本気で悩みました。
描いては、美術室の後ろの壁に貼ってある卒業生のデッサンと比べて、勝負をしていました。今度はどうだと思って持って行くのですが、やはり、どうにも比べものになりません。同じ人間が描いたのに、どうしてこんなに違うのか。

天才画家が描いたのなら負けてもしょうがないと思いますが、身近にいる一つか二つ上の先輩が描いたのですから、俺にだって描けないわけがないと思いました。でもダメでした。

そうして、二年間が過ぎました。私は、同級生と比べても下手で、人生の中で、こんなに負けたまま屈辱感でいたことはありません。それまでの私は何をやっても誰にも負ける気がしないほど、いろいろな面で成長が早かったのです。

だから、よく我慢したなあと思います。

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それが、突如として上手くなります。それは、予備校へ冬季講習に通ったときでした。いままで、悶々としていたことが一気に爆発するかのように、やり方がわかったのです。
これは、目から鱗というのでしょうか。

初心者コースでしたが、コンクールで一位になりました。
予備校の一位ですから、ちょっとうれしかったですよ。

でも、考えてみると、ぜんぜんダメなのに、我慢した二年半があったから、この爆発があったのです。
岡本太郎の爆発とは違うかもしれませんが、私の爆発はこのように現れました。

じっと我慢していると、いつかこの爆発がやってくるという経験をしました。
駄目だと思っていたことが、駄目じゃなかった、それまでの上手くいかない日々の経験がそれまでバラバラだったのが、全部つながったような感じでした。
だから、予備校へ行けば上手くなるのではないのです。それまでの経験がつながったのが、このときだったのです。

私は、先生から意外なことを言われました。
「お前は、今までの美術部員の中では、二番目に上手い」と。
「ただ、一人だけその上にいるけどな」
ということでした。

一番ダメな私が、この美術部の歴史の中で二番だとは、思いもかけない言葉に、有頂天になったのは、言うまでもありません。


デッサンは枚数です。先輩が言ってくれた言葉は、本当でした。
本気で描いて、たくさん描けば必ず上手になります。
だから、騙されたと思ってやってみてほしいですね。
はやく、上手くなるには、環境が大切です。
それについては、ピカソがライバルで書きました。興味のある方は、ご覧になってください。








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部屋の片づけ

2009-07-30 | 日記
今日は、部屋の片づけをしていただきました。

私は、身障者なので、自分で物を運んで片付けることができません。
そのため、毎週1回、ヘルパーさんに部屋の掃除をしてもらっています。

しかし、通常の掃除では一週間に一回なので、本格的な片付けをするところまでいきません。そこで、特別に時間を作ってもらって、今日はやっていただきました。

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私の部屋は二階ですが、階段リフトを使って毎日上がったり下りたりしています。
その二階の部屋にあるものが、多すぎて溢れています。片づけないと、車いすの動きが取れない状態になってしまいます。(車いすは、二階に一台、一階に一台、外用1台と3台使っています)

本当に、他の人がなんでもなくできることができないので、悔しくてなりません。

ホームセンターで、プラスチックの箱を買ってきて、それに7箱分くらい整理しました。特に多いのは、アルバムや本やビデオテープやファイルでした。
今日は、VHSのテープを200本くらい捨てたでしょうか。もうDVDの時代ですからね。

ヘルパーさんは、来てくれましたが、一人では重い物が持てないだろうと考えて、特別に若い男の人も頼みました。いつも私の家に絵の勉強に来ている人です。

そんな人に支えられて、漸くすっきりさせることができました。
部屋が片付くということは、気持がいいことですね。

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二階の私の部屋を片付けることは、その荷物を運ぶ場所が必要です。
それは、私専用の物置があります。そこへ運ぶのですが、まず、そこから整理しないといけないのです。入れるために空ける必要があります。
いままで、取っておいたもので、捨ててもいいものがないか考えて、できるだけ思い切って捨てることに徹しました。そうでないと、増える一方なのです。
誰か、もらってくれる人がいれば、あげたいなあと思うものもたくさんありました。英会話のカセットとテキストとか。一年分揃っているのです。

しかし、捨てるしかないかなと思って、捨てました。
ゆかっこという焼却場があるので、そこまで、ワゴン車で二回往復して捨ててきました。二階からの物で捨てるものと、物置にあったもので捨てるものを合わせたら、二回分になってしまったのです。


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ヘルパーさんは、一時間半と決まっていて、時間で帰りましたが、助手をしてくれた絵の生徒さんは、そのゆかっこまで二回付き合ってくれました。とても助かりました。

ヘルパーさんがありがたかったのは、以前同じことをしていただいた方がまた、きてくださったことでした。
前回このようにしたということを把握してくださっていて、今回はこうしましょうとアドバイスをしてくれたからです。また、その方も掃除の時に時々来てくださる方なので、物置の中の状態まで把握してもらっているのは、有難いと思いました。
なぜなら、私が車いすで、物置までいけないからです。

今日は、私の物置をビデオで撮影してもらって、行けない私に中の様子を見せてくれました。本当に気持ちよく、整理していただきました。ありがとうございました。

汗だくで、一生懸命やっていただきました。感謝感謝です。
お昼を御馳走したいくらいなのですが、規則でそれはできません。
なにか、あげたいと思ってもそれもできません。本当に申し訳なく思いました。
せめて、ここで、お礼を申し上げて、ご容赦いただきたいと思います。








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絵は才能????

2009-07-30 | 絵のこと
絵は才能だからという言葉をよく耳にします。

それは、どうしてでしょう。??

私はどうもその言葉が引っ掛かります。

その才能と言って片づけるのは、諦めですか?と問いたいです。

そうやって、自分は絵に向いてないということを自分に言い聞かせて、片づけているのではないですか。

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私は才能だとは思わないのです。もしそれを才能だというなら、他のことはどうなのでしょうか。
私は、中学時代バスケットボールをやってきました。練習すれば上手くなりました。才能だからいくらやってもうまくならないとは思いませんでした。
スポーツの場合は、才能が云々されるのは、プロになれるかどうかというようなレベルのときではないでしょうか。

なのに、絵の場合はどうして?初めから才能だと言われるかと不思議に思うのです。絵で食べていけるかどうかという問題なら、才能がないとだめだよというかもしれません。それは、売れる絵を描けるかどうかの才能ですけどね。

話が逸れないように、結論をいいますが、絵も練習すればだれでも上手くなるのです。ピアノの練習やその他のお稽古と同様に、スポーツと同じです。

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しかし、こう言っても、そうかなあという人が多いのはどうしてでしょうね。
絵を描くということは、本当に特別の才能がないとできないと思う理由は何なのでしょうか。

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視覚的問題だからでしょうか。
そして、その見える物を再現するという技術がすぐには上達しないからでしょうか。
私は、その意味では、ピアノにはバイエルがあるのでいいなあと思います。
あれは、本当に素人でもゆっくりやれば、一歩づつ進めて行けて、必ずあるところまでは弾けるようになりますね。

ところが、絵にはバイエルがない。

私はその絵のバイエルを作ってやろうかなと考えています。

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そうすれば、人は誰でも絵がうまく描けるようになるということを実感してもらえるかなあと思うのです。
この考えは、どこかの誰かが考えたことがあるのではないでしょうか。

ただ、画家は面倒でそんなことに時間をかけたくないという人がほとんどでしょうね。本音を言えば、私もやるのが面倒です。

だから、誰かやってくれませんかという感じです。

でも、美大を出たような人なら、誰でも作れるものなんですけどね。
上手に、誰にでもやりやすいものを作るということで、研究を重ねてやるとなると大変ですが、企業がお金を出して、アルバイトの学生を使ってやれば、簡単にできると思います。

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今日は、このアイディアを無料で提供します。

どうぞ、その気になった美術関係者の方、やってみてください。

コメント (9)
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