絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

Nさんのモデル組み 続き

2010-02-08 | 絵画指導
今日は、Nさんのモデル組みの続きをやりました。

前回は、天気の関係で、光が弱かったので、今日は太陽が出たので、
やってみました。時間を考えないと、良い角度で当たりませんから、
行ってみて、考えました。

私が到着した時は、前回のことを復習して、本人が並べていました。
それが、これです。


この状態は、下に並んでいる物が同じ高さで、上とのつながりが切れています。
白い鉄柱との関係で、主役の青い缶がもう少し上にある方がいいかなと思います。
また、右端にひっかけた布が離れすぎている感じがするので、それを変えた方が良いとおもいます。
それで、次にこのようにしてみました。


これで、一つ問題が解決しました。
青い缶を高くするのに、車の中にあったゴミ箱を使いました。置いたら丸見えでおかしいので、黒い布製の手提げ袋を被せて、なんだか分からなくしました。また、右の布は、離れ過ぎていたので、カメラの三脚を立てて、それに引っかけてみました。

ただ、この状態は、色に問題があります。左にある赤と黄色の関係が派手すぎて、目立ち過ぎます。描くときに彩度を落とす必要があります。しかし、黄色があまりに強いので、外してみようということになりました。それと、白いプチプチがあったので、それも置いてみたらどうだろうということで、後ろに置いてみました。


これで、落ち着きました。しかし、白のバランスということを考えた時に、右側が物足りないかもしれないということで、プチプチを右下に置いたらどうなるかなと思ってやってみました。

これは、白い面積が大きすぎて、他の物にくっつきすぎました。
もう少し、白を小さくしてみようと言ってやったのが、次です。

この方が良いと思います。

ただ、プチプチは描くのが難しいかもしれないということを考えて、他の白い袋を使おうと言って、取り替えました。

これで、大体まとまりました。
置かれた物だけを考えると、やや不安定な三角形になっているので、動きがあって良いと思います。
問題点は、物がまるまる画面に収まっているので、外へはみ出すものがあってもいいのかなということです。だから、最初の黄色い箱のようなものがあっても良いのかもしれません。ただし、色のおとなしい物にすべきです。
また、白い鉄柱や缶からはみ出している角材などの高さが地平線と重なるので、描くときに地平線の高さを微妙に変える必要があると思います。ピッタリ同じ高さにならないようにするべきでしょう。

光の角度は、なかなか良いと思います。
言い忘れましたが、この位置から見る場合、ポイントが青い缶のアルファべとの文字になると思います。だから、その文字が正面を向き過ぎないようにわざと左を向かせました。
主役というか、ポイントというか、一番目立つ部分をその文字にして構成した訳ですから、その文字がどのくらいの見え方をするかが大切なことです。
その主役が中心よりやや右にあるので、向きは左向きが良いかなと考えました。
以上が、モデル組みの研究でした。

いかかですか?私は、静物画のモデルを組む時も、このような考えに基づいて、行います。
今回は、Nさんのモデル組みでしたが、Nさんと話しながら一緒にアイディア出し合って研究しました。他にも1名Hさんが加わってくれました。

私は車椅子なので、自分でできません。だから、見ながらあーでもないこーでもないといろいろ指示をするだけです。楽しい研究でした。

この場所は、一昨年私が見つけて、Nさんが描きたいと言ったので、やらせてみました。Nさんは、二か月で描き上げましたが、それが昨年の県展に入選しました。それで、今回はどうしようかと考えていましたが、やはり、前回の発展形を考えていった方がいいのかもしれないということで、この場所を使って、何かやってみようということになったのです。その方が、その画家の研究という感じがして、アイデンティティがあっていいかなと考えました。










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麓原展(上里展)の作品紹介

2010-02-08 | 展覧会
今回の麓原展で、私が気にいった作品をいくつか紹介します。

1、この絵は、抽象画と言ってもいいのですが、よく見ると壺のような形が見えるので、完全抽象ではありません。私はとても良い作品だと思いました。潤いもあって、形の揺らぎが気がきいています。群馬県の山口薫さんという画家がいますが、その方の絵を思い出すような、表現形式だと思います。私もやってみたいと思っています。



2、この絵は、普通の風景画を使って、形を歪めました。形は歪めましたが、色味はいつも描いている感じを貫いています。このように、具象絵画を変化させて展開していくのも、現代絵画の特徴です。形の遊びのようで楽しい絵になっています。



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