バスケット部の状況は、割と練習があまくて、このままではあまり勝ち上がっていくことは望めないなあという感じのチームでした。毎日練習はしていましたが、先にお話ししたように、先生が出てきた記憶がありません。
だから私も、ややなめていました。一度だけサボったことがあります。
その理由は、数学の問題集をやるためでした。数学の授業では、先生がサブテキストとして、入試問題を含めたような問題集を配っていました。それが、なかなか進まなかったので、気になりました。自分だけが遅れている気がしたのです。
その問題集は、授業の内容と一致していて併行して進めるものと思っていました。
後で、みんなに聞いたら、そんなのやってないよと言ったので、安心しましたが授業では、先生がよくその問題集を使いました。
私は次の日、先輩に昨日休んだ理由を言いました。すると、先輩は勉強していたんならいいよというような反応を示し、てっきり叱られるかと思った私は、意外でした。
ほおーー、この学校は勉強していたという理由なら、部活を休んでも叱られないのかと思いました。
まあ、その程度の意識の部活だったということなのですが、私はこの学校の勉強に対する意識の高さと思いました。
ただ、自分では、この学校はいいなと思った理由の一つに、勉強に対する感覚が、自分に合っていると思いました。
これは、私の思い過ごしかもしれませんが、中学までの自分は、休み時間に勉強していたりすると、がり勉というイメージで見られ、そう見られることを嫌がっていました。
だから、家では勉強しても、人前では勉強している所を見せないという人間でした。
しかし、本庄高校に行ったら、休み時間に勉強している人がいます。放課後もいます。
そして、そうしている人間をがり勉の嫌な奴という見方をしないように思いました。
そういう光景が自然と見られるのです。それがいいなと思ったのです。
ただ、心の中は複雑で、がり勉というイメージの強い奴には、反発したい気持ちもありました。高校生なら、部活もやれよという気持ちです。だから、俺はバスケットをやっていても、勉強だけをしているがり勉には負けたくないという気持ちがありました。
それで、クラス順位に拘ったのです。
ーーーーーー
バスケット部は、夏休みを過ぎた頃、先輩が練習に出て来なくなりました。
それで、その後は、一年生だけで練習をやり、私はキャプテンになりました。
つづく