めぞん・ど・とぷ

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パン、パン、パン・ド・パリ

2010年09月19日 | くいしんぼ


固いパンが食べたくなりました。

きっかけは、須賀敦子さんの「ヴェネツィアの宿」を読んだこと。

パリの留学時代に、シャルトルの大聖堂まで徒歩で二日間にわたって歩き通した時の話の一節に、パンにまつわるこんなエピソードが書かれてありました。

二日目になると、須賀さんたちパリから来た学生たちは、お弁当のパンを食べつくして、疲労に空腹が加わり、だんまりのの状態でした。
そこへ、南仏アヴィニョンの学生グループと合流し、彼らのリュックに背負った立派なパンをみて、皆一様に目を瞠りました。
見てよ、あのパン。どんな味なんだろうと、口の中が唾でいっぱい。

パン、パン、パン・ド・プロヴァンスと、パリ組の学生たちは節をつけて叫びながら、
手を叩いてくやしがったという箇所が、面白おかしく、それを読んでいると、無性に
固いパンにクリームチーズをたっぷり塗って食べたい、という抑えがたい欲求が…

そんなわけで、朝一番に、お気に入りの近所のパン屋さんに飛び込みました。

このお店では、店頭の黒板にチョークで“本日のおすすめ”が書かれています。
フランスのあちこちのレストランでみかけるやり方で、とてもお洒落。

筆頭に書かれた“本日のおすすめ”が写真の『ビオ・バケット』。
というわけで、迷わず購入し、朝食にいただきました。
パリ風の棒パンで、須賀さんのエッセイにあった南仏流の丸パンとは、違いましたけど、香りが豊かで、期待を裏切られることはありませんでした。

もちろん、クリームチーズをたっぷり塗っていただきました。


『ビオ・バケット』専用の袋入り

とぷ