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EU vs ロシア

2008年03月11日 | プーチン
昨夜のNHK「クローズアップ現代」のテーマが『EU vs ロシア』

コソボ独立支援に回るEUと、それに反対しセルビア支援を訴えるロシア。
東欧の“小国”をめぐる独立問題は、まさにバルカンの火薬庫。

番組ではオラボバツ州という、アルバニア系住民が90%を占めるという小さな町の情景を取り上げてました。
少数派のセルビア系住民はわずか1,700人。町は境界線により分断されてます。
NATOから派遣された国際活動維持部隊の兵士が常時警戒にあたり、住民の動静をうかがっています。一触即発の状況です。

コソボ全域ではアルバニア系は圧倒的多数派ですが、北部は逆にセルビア系が多数派で、この地域の人たちは独立に反発しています。
セルビアも国を挙げて、“独立地域の独立”を支援するというややこしいことに。

それに輪をかけて、問題を複雑にしているのがロシアの動き。
EUのソラーナ上級代表がコソボを訪れ、国づくりの後押しを表明したところ、
プーチンのコメントは『EUよ、恥を知れ!』という過激なものでした。

この地域の影響力を誇示することで、EUの勢力拡大を阻止したい。
プーチンにとって、セルビア問題はロシア復活を印象付ける好機というところでしょうか。

ロシアの後ろ楯を得て、セルビアの若者たちがプーチン支持に傾いているようです。1990年代のアルバニア系住民の大量虐殺を契機とする西側の経済制裁で困窮したセルビアでは、EUへ加盟すれば豊かになることを信じる若者たちの間でEUへの憧れが芽生えてましたが、コソボ独立支援で失望に変わったそうです。
その若者たちの心に入り込んだのがプーチン。
街中にはプーチンの顔写真があふれ、まるでここはロシアかと見まがうばかり。

プーチン政権はセルビア問題をロシアの沽券に関わる問題と考え、これまでのEUのやり方は通用しないぞとばかりに、大国ロシアの威信回復を前面に押し出して、取り組むもようです。
先月、大統領選を間近に控えたメドベージェフがセルビアを訪問し、セルビア経由でのパイプライン建設を打ち出しのも、その一つ。

さて、プーチンからのメッセージをセルビア国民はどのように受け止めるのでしょうか?
親欧米派か? 親ロシア派か? 
新たな勢力争いはコソボ独立問題を契機に、ガチンコ勝負になりそうです。

とぷーちん


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