巨大なトレーに並べられているヒト、ヒト、ヒトオンナ、オトコ、黒いの、白いの、黄色いの、この市場で一番下等な食肉をニンゲンという。異星人が黄色をつまんで口にほうりこむくちゃくちゃ噛んではぺっぺっと骨を吐き捨てたニンゲンの高等な頭脳もハートフルなマインドも、こいつにとってはただの調味料にすぎない。ニザンやロルカ色の心臓はさぞや不味かろう漂白のよるべない魂はさまよひ異星人のノドチンコにひっかかったまま、 . . . 本文を読む
〔風雪のビバーク〕特選山岳名著シリーズ 松濤 明 二見書房「○○も地獄、○○も地獄」みたいな言葉が目につく。それを聞くたびに「最後まで戦ふも命友の辺に捨つるも命共に逝く」の遺書を思い出す。だが、彼の名前を思い出せずなんとも気にかかる。猛吹雪に閉ざされた雪山で友を見捨てられず逍遥と死を選んだ山男。かなり昔に読んだ本で記憶が曖昧だが、厳冬期の槍ヶ岳でビバークするも、先に凍死した友を見捨てることが出来 . . . 本文を読む