ことばをつむぐ十五の覚悟 2009-09-18 05:57:11 | アート(画・書・創作) 梅雨あけ間近の暑いころ 母の手提げ金庫からお金を盗み家を出た 東海道本線に揺られ駅の待合室に眠り、朝もやにけぶる鳥取駅に着く 鳥取砂丘に立っていた 梨を売る店の、薄っぺらいシートがバタバタと風にたなびき どんよりと重い雲が幾重も重なり水平線に溶けていた 日本海は茶色にうねり、流木を引き込み逆巻き、泡立つ波が岸を食む 台風が近づく浜辺は人っ子ひとりいない 腹の底から怖かった 来た道を一歩づつ噛み . . . 本文を読む