菩提寺から新しい塔婆をいただいた。
インクの色も黒々と鮮やかに梵字が美しい塔婆だった。
数年前まではご住職が自ら手書きされた墨痕の塔婆が
いつのまにかプリンター印刷になっていた。
インクの色も黒々と鮮やかに梵字が美しい塔婆だった。
数年前まではご住職が自ら手書きされた墨痕の塔婆が
いつのまにかプリンター印刷になっていた。
少々残念に思うご住職の筆文字は個性と思えばそれで
よいものを、なぜに機械化なのかと不思議に思ったが、
三代目が本山修行から戻られ副住職になられたことも
関係しているのかもしれない。
時代は変わっていくのだから、どちらが正しいとは
云えないが、塔婆のプリンター文字に事務化された
供養の侘しさみたいなものを少し感じた。
ぼくは長老たちから私信の代筆を頼まれるたびに、
梵字をはじめ僧侶向けの筆耕の一部をごく自然に
覚えるようになった。
梵字にはかなり魅力を感じている。
それゆえ菩提寺のご住職が塔婆の裏に書く金剛界の
大日如来を顕す「バン」の梵字がそっぽを向いていて
それが気になって仕方がなかった。
それなのに流麗なプリンター梵字になったら、
侘しさを感じるなんてのは身勝手というもんだね。
春秋年2回の彼岸供養に塔婆を上げると菩提寺から
お供物として山田まんじゅうと小箱に入った白檀の
線香を戴くのが常だったが、今年の秋彼岸は山田
まんじゅうのみだった。
まんじゅうのほかに大箱の沈香線香と大箱のマッチ
まで添えられていたのはもう今は昔の話になる。
少子高齢化の波は檀家の減少とともにお寺さんの
台所を直撃しているらしい。
そういうわが家もあと何年かしたら墓じまいをするか、
合祀にするか、真剣に考えないといけない時期がくる。
跡取りがいない家の宿命でもある。
いまは山田まんじゅうを食べて忘れることにする。
このまんじゅうは実にうまい。
これを選ぶご住職のセンスはなかなかと思う。
今日はだらだらしてもいい日、
寝っ転がって緑茶にまんじゅう、
こりゃたまらんね。
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