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睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

忘れられた田んぼ・通り過ぎた人・「帰らざる日々」アリス

2020-07-05 11:03:48 | 唄は世につれ風まかせ




画像は暗い梅雨空の休耕田
山の家近くの田んぼが草原になっていた。


初めて会った時の印象は素朴で実直な人だった。
広めの会場の隅で所在なさげに立っている彼に近づき、
ぼくは珍しく自分から話しかけた。

人見知りのぼくはよほどのことがない限り自分から
声を掛けることはない、面映ゆくてこそばゆい。

訥々と語る彼の話を聞くと共鳴することが多く、
彼は物語りを構築するチカラを持っていると感じた。
この人が書いた朴訥な私小説を読みたいとも思った。

次に会ったときの彼は豹変していた。
洒落たゴルフウエアに身を包み、
誰彼となくつかまえては楽しそうに談笑していた。

ちらと見ただけで住む世界が違うと感じて
あのときの感触が幻のようにぼくを通り過ぎた。
アリスの「帰らざる日々」が浮かんだりして。


夜遅くにこころおきなく酒を呑んだ。
もの欲しそうにしているぼくを見かねたように
檸檬堂とヱビスを買ってくれた。

遠くになる人
近くにいる人












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