朝5時前、
激しい雨が音を立てて降っている。
風がないだけやさしい。
こんな雨のなかカラスが飛んでいる、
翼が重そうだった。
こんな日はなにもかも低調でいいよね。
急ぎ旅じゃないし。
夜中に右足のふくらはぎがつった。
リビングから流れてくるエアコンの冷気で
足が冷えたみたいだ。
いつもなら立ち上り歩きながらマッサージすると筋肉の
緊張が解けるのだけど、何をしてもダメなときがある。
こんなときは足湯にする。
風呂に足だけつけてマッサージすると数分で直る。
老いに冷えは禁物とあらためて思った。
カラダの変化に温かい目をそそぎ少しづつ慣れる。
今までできたことができなくなってもいいのだ。
許容範囲を少しづつひろげてみる。
認めることから始めないとぼくは老いの中で孤立してしまう。
最近はね、
手を出されたらまよわず握ることにしている。
握手じゃないよ。
階段でカックン膝が出てよろけたぼくに誰かが手を差し伸べて
くれるとしたら、「いやいやけっこう」なんて言わないよ。
笑顔でThanksをいえる年寄りになるんだ。
雨だから、
屋根のある小さなベランダに立ち外を眺める。
雨の匂いをかぎ、雨の音を聴いて、雨に飛ぶ鳥を見て、
いまがいちばんと思った。
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