痛いおもいで

夜に母から電話あり。その内容は定期検診で医者に行ったら３針縫われたと。
いつも肝心なことを省く母のショートカット語なので「待てよ」とよく聞いてみれば、
３日前の夕方、草むしり中に左手の人差し指をザックリと切ったそうだ。

自分で消毒したが、そのうちに治るだろうと放っておいたら指が赤黒く腫れてきた。
３日後、血圧の定期検診にかかりつけの医者に行ったところ、母の手を見るなり
「すぐ外科に行くように」、で切開されて３針縫った。
かかりつけの医者が総合病院で良かったと胸をなでおろしながら、
なんで年寄りはこんなに我慢強いんだろうと呆れた。

「やっぱり親子だね、何から何までそっくり(笑)」
え、なんのこと？・・・あぁ、あのことか。
酔っ払って帰った深夜、ワンボックス車から転げるようにすべり降りて、
思い切りドアを閉めたら、まだ車内に指が残っていた事件のこと。

激痛と出血に酔いもすっ飛んで、朝までもんもんと痛みに耐えたあの夜のことは
忘れようたって忘れられないけれど、とうとう医者にはいかなかった。
ツメは新らしくなったし、凹んだ肉は盛り上がり、傷痕もすっかり目立たなくなった。
けど、骨が曲がったままくっついたらしく、手を真っ直ぐに開くと左の薬指だけ外側に
曲がっている。爪も縦に１本線が入ったまま。

火傷は中学の家庭科の実習時間のこと。
調理を終えたばかりの、まだチンチンに沸いているガスコンロの五徳を(無意識に)
指３本で持ち上げようとしたことがある。五徳に触れたとたん、うっ、激痛！
このときは回りの女子に知られるのがイヤで必死に耐えた。

火傷で親指・人差し指・中指の３本、ドアで薬指、左手ばっかり。
利き手の右より、左手のほうが怪我しやすいのかな。
○○総身に智慧が回りかねっていうし、残りの小指は気をつけよぅ。