画像はベランダで育てているりんどうの小鉢。
「りんどう峠」の唄がアタマの中を流れたとき、
母の付き添いで行った茶会で見たアナログ婆さんの和服姿を
思いだした。アナログ婆さんの着物も濃むらさき~♬
遠目は無地に見える濃い紫色の三つ紋つき江戸小紋を着ていた。
その濃い紫色がなんともいえない渋い色で、黒と灰と紺を差して
調色したような、いかにもな和の伝統色は形容しがたい色。
20人足らずの茶会の席で婆さんの存在感はピカいちだった。
ウエーブがかったシルバーグレーの髪を上品にまとめ、
地味だが趣のある着物を身にまとい、茶会の上席に凛と座る。
目立たずほどよい金糸刺繍がある源氏香の白い半襟に見とれ、
くすんだ藤色の四分紐にガーネットをほどこした彫金加工の
帯留を見つめ、ためいきがでた...美しい。
あのときの婆さんは今より十数年若かったが、
白髪を振り乱して膝が痛いとわめく今のアナログ婆さんと
同一人物とはおもえないほど素敵だったのさ。
父の葬儀のときに書いた。
「会場に入ったときは足元もおぼつかず、頼りなげに見えた母が
髪を結い、喪服を着て帯を締めると見違えるようにシャンとした。
やはり母も戦前・戦中・戦後を生きた大正の人。」
お世話になっている(している)長老の方たちもこのたぐいで、
耄碌しているよに見えても、
いざとなったら「喝」と言えるこの年代の方たちは侮れない。
和服の趣味は祖父の代から受け継がれたもの。
母が亡くなる前に古い着物の多くは処分したが
まだ山の家のタンスに残っている。
そろそろ考えないと、
跡取りがいない家は負の遺産を残さない配慮をせねば、
でもめんどいから来年にしよ、
そうして今年をやりすごす、たぶん来年も。
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