今日の朝焼け (2019/2/21) 天使がおりてくる

ひとすじのひかりから
決められた地上に天使が降りてくる

でも、おれんとこにはこない
天使が余暇と飽食をきらうのは
天上のきまりごと


いつだか読んだサラブレッドの行く末を綴った本
中央競馬から地方競馬へ
さらには昇仙峡の観光馬車を曳く馬になった
哀れなサラブレッド

細いガラスのような四つ脚が過酷な使役に就き
サラブレッドは馬車を引きながら息絶えた

そのページを目にしたとたん
おれは本を床に叩きつけた


陳腐なことは言わない
ぼくだって知らずに馬肉入りのコンビーフや
馬刺しを食べているのだから...。


それでも天使よ、
虐げられている馬たちに
やすまるひと時を与えてやってくれ
馬小屋で生まれたキリストさんのよしみでさ
紀元前の昔から馬ほど人間に尽くしてくれる動物はいない

・・・

金子光晴の特集をさがして
朝から納戸や書架をひっくり返してる
ユリイカと三田文学の2冊
どこに消えたんだー

金子光晴のコワモテかつ繊細な、
おれの尻を叩く詩を、
今日は読みたいのだ。