紅葉の土曜日ということで多くの参拝客がカメラを構えている。
人が写らないショットは難しい。
我慢強く待ってよしと思えば団体さんの先頭が横切ってくる。
本殿と伽藍だけ撮れたからもういいや
寺社に紅葉をからめたプロ並みの構図をトレースしようと思うなら
早朝から詰めるくらいの意欲がないと難しい。
山門前にある対の仏像は雨風にさらされながら山を護る。
早々と2つの目的を完了したあとは、
足をなだめながら上々の気分で散歩する。
箱根外輪山に続く傾斜がきつい足柄山をよく開いたと
了庵慧明師に感心しながら谷川沿いの道をゆるりと下りた。
高野山や永平寺もそうだが先人の労苦は半端ないね。
駐車場から寺に通じる道路の山側にオーバーハングを見つけた。
木の根元の土が流れ45度の角度で木は健気に天を目指していた。
もう長いことこのままなんだろうな。
これ以上崩れなければいいが、大雨が降るとヤバげな気がする。
大いなる自然は人間の寿命をはるかに超える悠久サイクルだが、
いつかどこか両者がジャストタイミングで命を終える時が来る。
今日か明日かも知れず、想定外や天災という名を借りて。
過去と現在はあるが確実な明日はない。
おぼろげな未来はあるが、
そこに自分がいるかどうかも定かでない。
そんな当たり前のことを夢や希望に替えて
嬉々として生きる人間に生れてよかった。
大雄山の山門に深く一礼して帰ってきた。
立派な御朱印帳も手に入れたことだし、
関東三十六不動霊場一覧でも回ってみるかな。
秩父の正丸峠では崖から落ちる一歩手前までいったし、
埼玉は入間で迷子になり、福島は回る順路を間違えた。
関東巡礼にいい思い出がないのは信心が足りなかった
ということにして、来年のテーマは御朱印帳の旅。
天狗伝説の大雄山最乗寺(道了尊) 1: レリーフ調の御朱印帳
天狗伝説の大雄山最乗寺(道了尊) 2:奥の院に続く長い石段
天狗伝説の大雄山最乗寺(道了尊) 3:人それぞれの宝物
天狗伝説の大雄山最乗寺(道了尊) 4:紅葉と池の金魚
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