睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

私の本棚:「般若心経入門」と「静寂心」

2010-11-10 06:38:02 | 本棚・思想・禅と仏教

〔般若心経〕とのご縁を結んでくれた本



BS日本風景遺産〔神と仏の里・国東半島〕に見とれていた。
今年6月に急逝された松原哲明老師(70歳)が若き日の修行に
国東半島を行雲流水の行脚(あんぎゃ)の旅をした。

九州大分は遠い
それでも必ず訪れようと
思いを新たにした。

明治政府の最大の誤算「神仏分離の廃仏希釈」により、悠久の歴史を
地元と共に紡いできた六郷満山の始祖、宇佐神宮の大寺が失われた。
残された礎の前に立ち遥かなる大寺を偲びたい。


梓伝社 NON BOOK
般若心経入門」 著作:松原泰道 ISBN4-396-10030-2

松原哲明老師の尊父でもある「南無の会」前会長・松原泰道老師
(101歳遷化)が、1972年に出版された「般若心経入門」の本が、
私と般若心経との初めての出会いとなった。

この本の醍醐味は心経を知らない人でも「得心」できること、
本の内容を説明してもあまり意味がないと思うから目次だけ。

 序文/高田好胤(1972年当時 薬師寺官長)
 序章/般若心経は生きている
 1章/「心」と「こころ」
 2章/人の痛みと自分の痛み
 3章/空(むな)しさを見つめる
 4章/生と死
 5章/平凡と非凡
 6章/快楽と煩悩
 7章/恐怖心と平安な心
 8章/迷いと目ざめ
 9章/真実の幸福
10章/無私の行為


この本に引用されている室生犀星の詩
 
  「何物ぞ」

  なにものか割れたり
  わが内にありて閉じられしもの割れたり
  かれら、みな声をあげて叫び出せリ
  桃の実のごときもの割られたり
  星のごときもの光り出せり


松原泰道氏の著書はどれも見事な引用と巧みな比喩で
難しい仏教をやさしく説いてくれます。
喉を潤す清らかな清水のように心にやさしく沁み込んでくる。

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梓伝社 NON BOOK
静寂心」 著作:松原哲明  ISBN4-396-10124-4

 まえがき
 1章/なぜ、静寂心が必要か
 2章/"静寂"を求めて
 4章/いつ、どこででも静寂心は発見できる
 4章/"沈黙"は、心の静寂を生む
 終章/肥大した欲望からの開放

禅に軽く興味がある方の入門書としてもお勧めです。
座禅の組み方も詳しく紹介され、瞑想方法として、日没の太陽を観る
「日想観/にっそうかん」、真言宗の月を観る「月輪観/がちりんかん」、
清らかな水を観る
「水想観/すいそうかん」、吐く息と吸う息を数える
「数息観/すうそくかん」、第三の瞑想として「地想観/じそうかん」など。




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