睡蓮の千夜一夜

馬はモンゴルの誇り、
馬は草原の風の生まれ変わり。
坂口安吾の言葉「生きよ・堕ちよ」を拝す。

街の明かりがYOKOHAMAメランコリー

2009-10-27 06:31:38 | 散文うたかたの記

 
   横浜西口ゴールデン地下街で遊んでいたころ
   駅近くの路地の裏の熱帯魚屋の2階がぼくの
   ねぐらだった。
   こぼれたグラスウールでチクチクする布団に
  くるまり吟遊詩人の夢に疲れて眠りについた


  青いランタンが壁に架かる暗い部屋だった。
  YOKOHAMAの街の明かりが窓から差し込む夜に
  山崎ハコのアルバム「飛・び・ま・す」を聞いた。

A-uuuuu....A-uuuuu....
Slow-Jazzを聞いてるように重く胸に沁みた。 

1.望郷、2.さすらい、3.かざぐるま、4.橋向こうの家、5.サヨナラの鐘、
6.竹とんぼ、7.影が見えない、8.気分を変えて、9.飛びます、10.子守唄


福富町と日の出町を分ける運河は
茶色の水がのたりと流れる
魚などいそうもない運河沿いの遊歩道に
釣り人の姿を見る
布バケツに張った水は街路樹を映していた

かたわらのベンチに座る若いカップル
オトコはライターで紙切れに火をつけ
オンナはオトコの背に顔をうずめてた

軒を並べるソープ館の前で
蝶ネクタイのボーイは腕組みをしている
人通りもまばらな気だるい昼下がり
彼はアクビひとつしないで立ちつくす

元町帰り道
屋台で食べた夜鳴きそば
割り箸のササクレが舌に刺さった

青い月が冴え冴えと
闇を照らす夜の埠頭
誰もいない

足もとに黒く広がる海
そのまま身をのりだしたら
果てなき国に行けそうで

怠惰と逡巡
けだるさと寂しさに

あてもなく
ほっつき歩いた


♬あめふれ あめふれ
あたしのYOKOHAMA




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