横浜西口ゴールデン地下街で遊んでいたころ
駅近くの路地の裏の熱帯魚屋の2階がぼくの
ねぐらだった。
こぼれたグラスウールでチクチクする布団に
くるまり吟遊詩人の夢に疲れて眠りについた
青いランタンが壁に架かる暗い部屋だった。
YOKOHAMAの街の明かりが窓から差し込む夜に
山崎ハコのアルバム「飛・び・ま・す」を聞いた。
A-uuuuu....A-uuuuu....
Slow-Jazzを聞いてるように重く胸に沁みた。
1.望郷、2.さすらい、3.かざぐるま、4.橋向こうの家、5.サヨナラの鐘、
6.竹とんぼ、7.影が見えない、8.気分を変えて、9.飛びます、10.子守唄
福富町と日の出町を分ける運河は
茶色の水がのたりと流れる
魚などいそうもない運河沿いの遊歩道に
釣り人の姿を見る
布バケツに張った水は街路樹を映していた
かたわらのベンチに座る若いカップル
オトコはライターで紙切れに火をつけ
オンナはオトコの背に顔をうずめてた
軒を並べるソープ館の前で
蝶ネクタイのボーイは腕組みをしている
人通りもまばらな気だるい昼下がり
彼はアクビひとつしないで立ちつくす
元町帰り道
屋台で食べた夜鳴きそば
割り箸のササクレが舌に刺さった
青い月が冴え冴えと
闇を照らす夜の埠頭
誰もいない
足もとに黒く広がる海
そのまま身をのりだしたら
果てなき国に行けそうで
怠惰と逡巡
けだるさと寂しさに
あてもなく
ほっつき歩いた
♬あめふれ あめふれ
あたしのYOKOHAMA
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