水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

久々の今月のフォーカスは、気になる規制改革推進会議の動向です

2017-06-08 23:25:05 | 今月のフォーカス

 小泉政権下で猛威を振るった「規制改革会議」の後継として安倍政権で再構築された「規制改革推進会議」。「岩盤規制」を壊せとばかり、農業・農協改革を強力に推し進め、農協法などの戦後法制度を一新しようとしている。水産分野では、新しい水産基本計画に追い打ちをかけるように、養殖などの特定区画漁業権に企業参入を促進し、漁業権開放をめざす動きが急を告げつつある。

 すでに漁協の組合員となることで、企業参入の道は開かれている。現行水協法および漁業法に法制度上、なんら閉鎖的な要素はないし、実態としては必要な浜では協力関係が支障なく進んでいる。にもかかわらず、漁協が管理する漁業権とは別の道を追求しようとする行為は、これまで資源と漁場の効率的な利用で調整機能を果たしてきた漁協という地域の人的なつながりに亀裂を生む以外の何物でもない。

 企業のノウハウやヒト・モノ・カネを漁業振興に活用することに抵抗はないが、企業主導の論理で問題を解決する方法はいかにも危うい。地域に定住する漁業者が運営する沿海地区漁協の枠組みで漁業を営むことのメリットははるかに大きいし、地元のコンセンサスを得る最良の道である。宮城県のような「復興特区」は特殊事例としてよく吟味すべきケースであり、その検証なくして普遍化すべきではない。

 もちろん、地域事情に応じた地域漁業のあり方を選ぶのは、そこに暮らす人々の意志による。一言で少子・高齢化と言っても地域によって大きく異なる。漁業という産業、漁村という地域ばかりの問題ではないし、格差はむしろ都市部の方が大きいだろう。経済単位としての漁協、漁村の潜在力を最大限発揮できる将来ビジョンをしっかり持って「規制緩和」に対処する論理が必要で、歴史的に築いてきた固有の価値を問われる岐路に立っている。


6月号の表紙は、やっぱりホタテだよ!

2017-06-08 23:18:03 | 月刊水産北海道

「また4年後に! 稚貝放流と本操業」(栄浦漁港・小平漁港・頓別漁港)

 日本海の稚貝生産は各地とも順調に進捗し、5月末をもって今年度放流分の出荷を完了した。サロマ湖沿岸の常呂・佐呂間・湧別の各漁協は5月16日に今年度の稚貝放流を開始。地場産稚貝を10日かけて放流した。頓別漁協では5月15日に今年度の本操業を開始。爆弾低気圧に耐え、4年間生き抜いたホタテが現在水揚げされている。各地で放流された稚貝が4年後、元気に成長して戻ってくることを期待したい。(写真と文:鈴木記者)

北見管内・常呂漁協(栄浦)

留萌管内・新星マリン漁協(小平)

宗谷管内・頓別漁協


水産北海道6月号が出ました 6大特集で今月もドーンと行け!

2017-06-08 22:41:37 | 月刊水産北海道

新しい計画で漁業は成長産業化するか
これからのホタテ、イカ、サンマに期待

特集1 新しい水産基本計画・漁港漁場長期計画の肝
特集2 太平洋クロマグロTAC導入 水産庁の新方針
特集3 札幌で水産団体の通常総会シリーズ
特集4 マリンバンク常呂がリニューアルオープン
特集5 全国ホタテ大手荷主・荷受取引懇談会
特集6 宗谷管内浜回り 28年度実績と29年度計画