太平洋のサンマ棒受け漁は歴史的な不漁が続き、9月中旬過ぎでも道東海域への来遊は皆無で、東側の公海での操業が続いている。10月に入って花咲への水揚げが活発化し、10月1日、2日で1,100㌧以上が水揚げされ、特に2日は800㌧と今シーズンの最大日量を記録した。
漁業情報サービスセンターによると、8月〜9月末までの全国のサンマ漁獲量は約4,500㌧で、前年同期の12%という低水準にある。近年5ヵ年の平均に比べると1割強。平均㎏単価は640円前後で前年同期の2.4倍の高値。
道内の水揚げは、4,300㌧で同17%。主要港では、サンマ水揚げ日本一の花咲が4,000㌧余りで、前年に比べ2割強、近年5ヵ年の平均に比べると18%程度。そのほか厚岸で270㌧、釧路で40㌧と極端な不漁となっている。平均㎏単価は630円台で全国とほぼ同じ水準。
9月中旬の主漁場は、道東海域より東側の落石東300海里など遠く、同漁場では大型船で平均3㌧の漁獲にとどまっている。さらに遠い落石東南東440〜460海里では平均5㌧、落石東670〜700海里では平均16㌧を漁獲した。魚体は体長29〜30㎝モードで、29㎝以上の体重は100〜130g台が主体で、前年より痩せていた。
漁業情報サービスセンターが9月30日に発表した「第3回サンマ中短期漁況予報」によると、今後の見通しは、道東海域では10月上旬は魚群の来遊がないが、10月中旬になると来遊する可能性がある。ただし、来遊量は極めて少なく、多くの魚群は東〜南側を南下し、11月上旬以降は魚群の来遊が少なく、終漁を迎える。