国の再エネ海域利用法に基づく桧山沖を対象にした第1回目の法定協議会(ウェブ併用)が12月18日、江差町のホテルニューえさしで開かれ、協議会の運営を話しあったほか、国からの説明を受けて質疑、意見を交わした。法定協議会の立ち上げは松前沖についで道内二つ目となる。桧山沖の想定エリアは乙部町を除くせたな町から上ノ国町までの沿岸部で、出力規模は約91~114万キロワットと想定している。
地域サイドからは檜山管内洋上風力事業推進協議会(会長・工藤昇上ノ国町長)の「洋上風力発電を持続可能な地域の形成に繋げる振興策に関する要請」が提出され、「わが国のカーボンニュートラルの実現に向け、檜山地域は関係機関が一体となって洋上風力発電を促進し、わが国全体の脱炭素に貢献する。一方、洋上風力発電事業の確実な進展には、立地地域が持続的・安定的に発展することが重要であるが、北海道内の平均を上回る人口減少や、基幹産業である漁業資源の減少等に苦しんでおり、国、事業者においては、持続可能な地域の形成に向け、振興策を講じるよう強く要請する」として行政・住民サービスの向上、地域経済の振興、推進基盤の整備などの項目をあげた。
このうち、国や事業者による一次産業の振興については「経済産業省及び水産庁による水素や蓄電池活用漁船リース制度の新設や海況提供デジタル機器の提供とその電力の無償供給」「漁業団体などが行う増養殖施設や共同利用施設に係る電力の無償供給」「年来遊が増加しているマグロ等漁業資源の十分な漁獲枠確保」「ブルーカーボンに寄与する藻場の形成や風車構造物を利用した水産振興」「地域の農林水産物及び加工製品の販路拡大促進、Jクレジット創出への協力」を求めている。
今後は協議会の合意事項を意見取りまとめを文書化し、地域の漁業の将来像を議論し、選定事業者は地元と一体となって実現に取り組むことで、地域・漁業との共栄共存を具現化する。