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「タイ的なるものをめぐって」(2)

2021-01-20 10:50:25 | ハノイ
 ータム(布施)についてー
 人との友情を結ぶ上で、まず「自分のものを他人に与える」ことは絶対に欠くことができないと認識すべきである。このタム(布施)は大きな徳である。このタムには以下の3つに分類される。1.親切心のタム、2.救済心のタム、3.供養心からのタムである。自分に有り余ったものを、例えば、衣類、お金、食べ物などを親切心から友人や隣人に分け与える施しを「親切心からのタム」という。また対象が友人や隣人を越えて世の一般の困っている人に向けられることを「救済心からのタム」という。見ず知らずの赤の他人であるからといってほっておいてはいけない、ということである。さらに最後の施しであるが、例えば、親や叔父さん、叔母さん、祖父、学校の先生、僧侶など人生の先輩、徳の高い立派な人への感謝の気持ちからの恩返しを考え、我々を今日まで育て上げ、教え導いてくれた恩返し、それは「供養心のタム」である。まじめで正直な人間になることは両親への恩返しとなるし、しっかり勉強し立派な社会人になることは恩師への恩返しである。托鉢の僧に布施をする。仏日におけるお寺でのお布施をしに出かけることは僧侶に対する感謝の気持ちを表すまたとない機会である。
 ここで少し注意しておかねばならないことは、「タム」とは必ずしも形あるものを施すことではなく、自らの行いを正し、まじめに仕事に励むことなども社会への「安心」というものを与えることであり、それ自体が意義深い「タム」である。
 果たしてこうした徳と友情の成立がどの程度の関連性をを有しるのかは定かではないし、この徳自体が余りにも仏教中心の国体維持のための民衆の意識操作に関係している風に受け取れなくもないがそう言い切ってしまえば元々「道徳」など存在しえず友情のあり方云々すらもあったものではない。無責任で不毛な論理が蔓延することになろう。他人への有形無形の「施し」こそが言葉だけの援助や恵みではない普遍的な深みを帯びた人間の営みなのであろう。

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