菅官房長官は、年頭の訓示で、「引き続き、経済最優先に全力で取り組む」と強調しました。しかし経済を分かって言っているのでしょうか?具体的な政策を見ると分かっているとは思えません。経済を成長させるには理屈に合った政策が必要です。経済規模を維持するためには、生産物をすべてを購入する購買力が必要となります。しかし購買力は生産コストの中にしかないため、マクロ的には利益ゼロ、つまり成長しないことになります。ではどうするか?購買力を増すために次の3つのモデルが考えられます。
1 先行投資をする。
2 海外に購買力を求める。
3 不労所得を増やす。
1 は主に発展途上国の成長モデルです。先行投資のリスクがないため、先行投資によって購買力を増すことができるのです。2 は日本経済が絶好調の時の成長モデルです。いわゆる輸出による成長です。1、2は長続きしません。そういう条件が続かないからです。
3 はある程度計画的にできるでしょう。しかし経済学者はこのことについて、知っているのか知らないのか、ほとんど言及しません。ボケているのでしょうか?特に従来の経済評論家が明らかに間違ってきたのはこの点(3)についてです。バブルだバブルだと言って不労所得を潰してしまいました。成長力のエンジンを潰してしまったのです。経済の分からない人には経済の話をさせてはいけません。10年の空白、20年の空白、30年の空白を作り出すだけです。