浜松フラワーパークに行ってきた。
以前、園長の塚本こなみさんの講演を聞いて、ぜひ、この季節に行ってみたいと思っていたからだ。
だって、「日本一の桜とチューリップの浜松フラワーパーク」ですよ。
行くならこの時期でしょ。
閉園寸前、市のお荷物だった浜松フラワーパーク。
やたら広いうえに坂道が多い。
花の綺麗な時期が短い。
入園料もそこそこ高い。
当然、入園者も少ない。
足利フラワーパークを復活させた塚本さんに浜松市は白羽の矢をたてた。
だって、もともと浜松の人ですよ。そして、今も浜松に住んでいるんですよ。
足利の前に地元でしょ。
嫌がる塚本さんに無理やりお願いして、浜松フラワーパークも再生中。
ビジネス再生のヒントになるかもしれないので、再生プロジェクトのいくつかをご紹介。
1. 勝手に日本一を作る
「桜の日本一はある。チューリップの日本一もある。じゃ、桜とチューリップの日本一で行こう!」
で、チューリップ5万本。
下の画像は、池の中にこの時期だけの浮き花壇を作っている。
恐る恐る1年間、やってみたけど、だれも文句を言わなかったから、
「桜とチューリップの日本一!は、うちのもの」だそうだ。
2. 思わず撮影し、投稿したくなるフォトジェニックポイントを作る
一番、下は、うちの卒寿と米寿の両親。
こんな二人でも、絵になっちゃうでしょ?
え、なってない??
じつは、人が入っていないのを撮影し忘れた。
3. 思い出が綺麗に残る工夫をする
塚本さんが赴任してまず取り組んだことの一つが、高麗芝(日本芝)をエバーグリーン(西洋芝)への張り替え。
桜の時期、日本芝はまだ枯れた色。
こんな感じよね。
西洋芝だと、こんなに鮮やかになる。
「『チューリップが綺麗ね、桜が綺麗ね』という人はいる。 でも、だれも芝生が綺麗ねとは言わない」
「でも、後で、写真を見たときに、綺麗な写真!と言ってもらえる。それは、実は、芝生のおかげ」
4. 入園料を変動性にした
花のない時期と、花いっぱいの時期とは価値がちがう。
だとしたら、価値に合わせた価格設定にしよう。
花のない7〜9月は、無料になった 。
今は、稼ぎどき 大人一人900円。
10月〜2月は、500円だが、園内で使える300円のクーポン付き。
5. 働いている人を作業員から主体的な従業員へと変えた
キャッチーなコピーを作り(HISの澤田さんもハウステンボス再生に、「作るものは全て、世界一かアジア一か日本一にしろ。2位では客はこない」と言ったとか)
客自らが紹介したくなるしかけをし(よくありますよね。トリップアドバイザーに投稿してくださいとお願いしている情けない施設)
主役はお客様、主役を輝かせるのが役目。と心得
提供価値も顧客満足もお客様が決めること。と徹底し
そして、何より働く人に仕事の意義を伝えてモチベーションを高めた。
ところで、わたしが、親孝行の真似事をしてフラワーパークに両親を連れてきたのは、尊敬する知人柳井さんの影響。
柳井さんは、高学歴で、一流企業にお勤めのエリートサラリーマンだった。
年老いたお母さんが、喜ぶような施設がないことに愕然とし、地元に帰って、福祉施設を自ら経営することにした。
「わずかな期間だったけど、お母さんが通ってくれて少しは親孝行ができた」とSNSでup。
その転身ぶりが鮮やかで、私は一度は、見学に行きたいと思っていた。
で、この間、行ってきました。前橋まで。
「ありがとうって言ってもらえる仕事って、なかなかないでしょ。ここでは、感謝されるからね。毎日、楽しいよ」
何年か前に、車椅子のお母さんを花見に連れて行った画像もupしていた。
「あと、何回、桜が一緒に見られるだろう」
で、真似してみました。
まだ、自力で散歩できる二人の姿を後ろから見て、ともに元気でいてくれることに本当に感謝。
ちょっと、垂直歩行になっていないけど・・・
あと、何回、一緒に桜を見られるだろうか?
いえね、足腰の弱った私の方が先にバテそうな予感はしますけど・・・