Dalesfordでは、月、火を除く毎日、お料理教室(The cookery school)が開かれている。
オーガニックの聖地で、地産の材料でしかも料理が1日で習えちゃう。
Perfect Pastry 完璧なペストリー
Eat to be healthy 健康に食べる
Seasonal organic suppers for everyday 毎日の季節のオーガニック夕食
Seasonal dinner party 季節のディナーパーティ
Journey through provence プロバンスをめぐる旅
どれも魅力的、迷っちゃう。
日程を考えてsustainable seafood (日常的にできるシーフード)を受講することにした。
美味しいシーフードを食べていないしね。
9:00~16:00の1日コース。
ところが、あいにくの雨で、車が多く、制限速度をきっちり守る安全運転で行ったところ到着9:07。
遅刻!!慌ててキッチンにかけこんで
「すみません遅れて」というと先生がにっこり
「9時半からですから遅れてませんよ」
どころか、他の受講者はまだだれもきていない。
例のごとく入れてもらったコーヒーをいただきながら、クラスの撮影。
キッチンは明るくて使いやすそう。
12人定員で、一人一つづつ流しとコンロがある。
ちぎって使えるハーブの寄せ植え鉢。
担当は二人のジェームズ先生。メインとサブって感じ。
「今日は何人?」
「3人」
「じゃ、私たちすごくラッキーね」
「12人いっぱいの時もよくあるんだけどね」
「イギリス人は魚嫌いなのかな」
なんて話しながら後の二人を待つ。
9時40分になっても誰もこない。
ま、まさかのプライベートレッスン。
しかも2対1。気まずすぎる。
それは避けたい!!
遅れること25分。
やってきてくれて、ほんと嬉しかった。
フィラデルフィアからの旅行者父娘パトリックとシュボン。
つまりアメリカ人。
やっぱりイギリス人は魚料理きらいなんだ。
なんていう国際的な感じで始まった料理教室。
まずは、本日の魚の説明。
さすがにオーガニックの聖地でも魚は作っていない。
これは近海から取り寄せた新鮮な魚。
「臭くないでしょ。新鮮な魚は生臭くない」
確かに、それにぬめぬめもしていない。
それぞれに、デキャンタに入ったお水も用意してくれているのだけど、それが、きゅうりとミントとレモンが入っていて爽やか。画像にも一部、写っているでしょ。
まずは下ごしらえから。
シーバス(スズキ)の3枚おろし。
いわしの姿を残して骨をとる。
ホタテを殻からだす。
ヒラメの3枚おろし。
先生はすすっと簡単そうだが、骨にいっぱい身が残って同じ魚とは思えないほど小さくなっちゃう。
日本でも3枚おろしなんて滅多にやらないからなあ。
みんなが、格闘している間に先生はスープストックを作っている。
さて、下ごしらえがおわったところで、いよいよ一品目。
チョリソーとホタテの貝柱
・ チョリソーを一口大に切っていためる。ネギの小口切りを入れてさらに炒める。
・ ホタテをフライパンで両面焼く。少し塩を振りバターをおとす。焦げ目がついたところでレモン汁をかける。
・ バジルとミントとイタリアンパセリをみじん切りにしてレモン汁、オリーブオイル、マスタードで混ぜる。ケッパースも入れる。
・ 皿に盛ったチョリソーの上にホタテを入れて、バジルミントのソースでかざる。
・ 上からディルをのせる
簡単だけどすごく美味しい。
しかも、いちいちナイフとフォークとナプキンを用意してグラスワインなんかもつけてくれる。
あんまり美味しいので、思わず。
「イギリスの料理はまずいというイメージがあったけど、払拭されたわ」
というと、パトリックも重ねて
「外国で料理教室に行くといったら、みんなが、フランス?イタリア?ってきくんだよね。イギリスって答えると、全員が『何で???』って、びっくりされた」
ジェームズ先生、ひたすら苦笑い。
さて、これだけでお腹いっぱい。
しかも、食べている間に調理して汚れたフライパンなんかを全部洗って綺麗にしてくれる。
なんてセレブなお料理教室。
2品目が、スズキのカルパッチョ。
新鮮だからカルパッチョにできます。
生のスズキの薄切りの上に焼いたレモンを絞る。
この焦げるほどに焼いたレモンがミソで、ジェームス先生曰く、味には5つある。
塩味 (ソルティ)
酸味 (サワー)
苦味 (ビター)
甘み (スゥイート)
うまみ (これは今やグローバル語らしい)
焼いたレモンで酸味と苦味が一緒に演出できるのだそうだ。
上からかけているのはきゅうりとイタリアンパセリとフェンネルとネギを刻んで、塩胡椒とオリープオイルレモン汁で混ぜたもの。
ケッパースもちらして、「日本じゃ刺身は醤油で食べるんだよ」というと私には有機たまり醤油を出してきてくれた。
この頃にはちょっと余裕が出てきたので、昨日のカメラ教室の復習も兼ねてスタイリング。
実は、もうお腹いっぱい。
まだ、三品ある。
作りたいけど食べられない・・・
ってところに魚コーナー担当者がやってきて
「今日はマグロが手に入らない」
という衝撃報告。
ジェームス先生、困った。
じゃ、サーモンにするか・・・なんていう話し合いがなされたみたいだが、もうお腹いっぱいの私たちを見たせいか、マグロ料理は取り消し。
「農場でも見ますか」
「ぜひ」
ということで、みんなで農場見学に。
実はDaysford、農場見学コースとか設けていない。
だから、農場に入ってくる人はほとんどいない。
私たちもキッチンの裏口から出て行って、噂の広い農場をひとめぐり。
「特別扱いですね」というと
ジェームス先生
「私にとってもね」
人数が少なく、手がかからない生徒たちで、なおかつマグロがないおかげ。
まずは子牛小屋。大人は放牧されている。3ヶ月ぐらい。
向こうに見えるのが、土置き場。
完全無農薬、無化学肥料だから、これは、土作りが命なんだろう。
温室
店で売っている苗や野菜はすべて農場で採れたもの。
ジェームズ先生、新芽や熟れた実をとっては食べさせてくれる。
きゅうりも、こっちで見慣れた巨大きゅうりになる前の日本のサイズのをポキリと折ってくれた。
あ、久しぶりのもろきゅうの味。
ついでにきゅうりの花も美味しいよって。初めて食べた。
興味深いのは、同じ温室の中で、幾つかの違ったものを育てていること。
温室の次は果樹園と畑。
育ちすぎちゃったのか、ズッキーニの畑の周りは、ズッキーニがゴロゴロと投げ出されている。
除草剤を使ってないせいもあって、草も元気に成長している。
2000人を超えるファーマーが世話をしているということだが、一人も出会わなかった。
蜂蜜をとるため(受粉のため)?蜂の巣箱も木の下に。
果樹園では、チェリーがそろそろシーズン終わり
ベリー類が絶好調
ブラックベリー
レッドカレント(赤ふさスグリ)。宝石みたいでしょ。
プラムはこれからかな
プラムが熟れてくるとアブや蜂が寄ってくるのでわかるのだそうだ。
まだ、寄ってないからね。
収穫は大変なんだよ。虫にたかられながら採らなくちゃならないから。
なんていう説明を聞きながら、まさに食べ頃の木の実を好きなだけつまんで、ツアー終了。
オーガニック=おいしい という図式は私の中にないのだけれど、ここのはすべて本当に美味しかった。
しかも実が大きい。
やっぱり土かなあ。
帰りがけにシェパードが乗っている車にであった。
あの、放し飼いの羊たちをちゃんと集めてくるおりこうさんたち。
尊敬の気持ちを込めて一枚。
さて、お料理後半。
3品目は、スズキとイワシのグリル。
カリッと皮を焼いたスズキとオーブンで焼いたイワシの姿焼き。
きゅうりと青トマトの輪切りの上に並べる。
ネギと山わさびのすりおろしをサイダービネガー、塩コショウ、オリーブオイル、ちょっとミントで混ぜたソースをかけて。
最後は、先生が作ったスープストック。
これには、3枚におろしたヒラメの骨を入れて煮込んである。
ヒラメの骨を残して綺麗に水洗いした時には、てっきり唐揚げにして食べると期待したんだが・・・
やっぱりね。残念。
「日本じゃ、これを油で揚げてカリッとさせて塩を振って食べるんだよ」
っていちおう宣伝?しておいた。
撮影になったら、みんな悪乗りして、いろんなものを飾ってくれる。
何が主役か、もはや、わからない。
キンバリー先生だったら、外すだろうけど、これはこれで、おもしろいので、
念のため。主役はヒラメのスープです。
あ、上に焼いたレモンが写ってます。
(注、この料理には使っていません)
最後は、パトリックが動画にあげたいのでと、みんなで、30秒ダンス。
(曲に合わせて色々なシーンを入れて1本にするための一部みたい)
いろんなこと盛りだくさんで、料理教室の範疇をこえていて、なんだかわからないけど、とっても楽しい1日だった。
最後にいちおうスクールなので修了証書をいただいて終了。
これ絶対、日本の旅行者にうけるとおもう。
ただ、コッツウォルズの景色を見て回るだけでなく、Daylesfordでオーガニック料理教室コースっていいよね。
ツアー企画しちゃおうかしら。