北欧スウェーデンの生き方、習慣、面白さなどをつたえられたらいいな
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受け売りで、かつ、少しデーターが古い(2008)のですが、
スウェーデンのごみ焼却施設は全国でいくつあると思いますか。
ちなみに、日本には1243個あるのだそうです。
正解は28個。
ただし、日本の人口12686万人に対して、スウェーデンは1003万人ですから
そこは、考慮しなければいけません。
何しろ世界のゴミ焼却量の7割以上が日本だといわれています。
というのは、他の国は燃やさないで埋め立てている率が高いからでもあります。
その、数少ない焼却施設のひとつがマルモにあります。
その熱のおかげで、マルモ中心部のアパートは、
暖房とお湯がタダなのだそうです。
ヨーロッパ貧乏旅行(失礼)をしたことのある人なら、
体験済みだと思いますが、通常、ヨーロッパでは、
お湯がふんだんに出ることはありません。
一般家庭だとバスタブに1杯半ぐらいで、あとは、水になってしまいます。
貯蔵タンクの大きさがあるからです。
我が家も、次の人のためにお湯を入れ替えようと親切心を起こしたばかりに
水風呂に入れさせてしまった経験があります。
ところが、マルモのアパートは、いくらでもタダでお湯が出るのです。
ちなみに、スウェーデンでは、アパートの水道料金は
大家さんがはらうので、多くのアパートは、
洗濯機を地下に設置して、共同で使わせるようにしています。
各自が洗濯機を持つより確実に水道代が節約できるのだそうです。
自分の家に洗濯機があるのに慣れた日本人には、
洗濯のたびにわざわざ地下に行かなくてはいけないのは、
不便ですね。
うっかり、前の人の洗濯物の入っている洗濯機で洗ってしまって、
強い体臭が移ってしまい、全部捨てざるをえなくなったという
日本人の話を聞いたこともあります。
さて、話を元に戻して、ゴミの事情は、自治体によって多少違うようですが、
私の住んでいる地域では、毎週水曜日にゴミの収集にきます。
週一回だけです。
その日は、通りに面したところに置いてある自分のゴミ用コンテナに
入れておけば、収集車が集めて行ってくれます。
こうやってひっかけると自動で車の中に。
これだと、力もそんなに入りませんね。
ゴミ収集場所まで持っていく必要もなければ、自宅の前が運悪く
ゴミ収集場所になることもありません。
200リッターぐらいのコンテナなので、
普通の家庭の1週間分は余裕で入ります。
また、入れたまま、留守にしておいてももちろん集めてくれます。
旅行の時など便利です。
実は、これ、自治体と提携した個人業者がやっているのだそうです。
料金は、年間約1000クローネぐらい(1クローネ約12円)。
その緑の蓋のコンテナの隣に、大抵どの家も黒い蓋のコンテナがならんでいます。
これは、庭ゴミ専用。
刈り取った芝とか、小枝とかを入れます。
こっちは、その都度電話で頼まなくてはなりません。
1杯55クローネ(約5~6000円ぐらい)で集めてくれます。
でも、時間はたくさんあって給料の安いスウェーデン人は、
55クローネ払うくらいなら、自分でゴミ集積所に運ぶ方を選びます。
そうすれば、ただです。
大抵、車で数十分以内のところに、ゴミ集積所があります。
そこには、家具、段ボール、新聞、庭ゴミ、木材、化学ゴミ・・・
と細かい分類(15種類)がなされたゴミ捨て場があり、
各自、それぞれの目的の場所に行って処分します。
庭の枯れ葉をビニール袋に入れたら、
捨てるときには、中身と袋をわけなくてはいけません。
だって、別の種類のゴミなのですから。
半分公営にしては、珍しく、ここは、土曜日も2時まで開いています。
そして、土曜日の午前中は、地域の亭主たちが、
全員集合することが決まりかのように、
この集積所に向かって、車の列ができます。
それらの車は、ほとんどが、後ろにリヤカーを繋いでいます。
そこに、いらなくなったソファーや、切り倒した木や
引越し後のダンボールや・・・・を乗せていきます。
そのリヤカーは、自前のものもありますが、ガソリンスタンドで
借りることもできるので、便利です。
ちなみに、ガソリンスタンドでは、リヤカーを各種取り揃えて
引っ越しができるようなコンテナや、
馬匹運搬車まで、おいてあります。
価格は、1時間200クローネぐらい。1日だと300クローネぐらいから、
種類によって異なるようです。
さて、地球に優しくが叫ばれている今、
この国のリサイクル事情は・・・・・
先ほど書いた、ゴミの分別ももちろんリサイクルのためです。
でも、日本でも課題になっているペットボトルや空き缶については、
もっと合理的で確実な方法をとっています。
その方法とは、スーパーで買い取るという方法です。
パントシステムといいます。(Pantsystemet)
スーパーの一角に、必ず空き缶、空き瓶の回収機が置いてあります。
そこに瓶や缶を入れると、数と種類に応じたレシートがでてきます。
そして、それを持ってレジに行くと、その日の買い物金額から、
レシートの金額だけ引いてくれるのです。
つまり、金券。
ビールの空き缶ひとつ1クローネ。
2リットルのペットボトルなんか1本2クローネ。
そりゃ、みんな捨てないで、集めておいて、持っていきますよね。
その金額を寄付することもできます。
この回収機日本でも取り入れたらいいのに。
やる気さえあれば簡単なんです。
だって、見かけは機会ですが、裏では
人間が分別しているんですから。
(最近では、完全機械化されたようですが
人間がやるとPantマークが磨耗していても
ちゃんと分別してくれて便利でした)
太っ腹だと思うのは、
自分の店で売った商品でなくても引き取ってくれることです。
(ただし、外国製品はだめ。国内製品でもダメなものもあります)
最もその分の価格は、売値の中にあらかじめはいっているのです。
外国製品や、Pantできない瓶や缶や紙類も、大きなスーパーなどの側に
大きなコンテナがあって、24時間、365日捨てることができます。
紙類はこんなコンテナ(紙マークがついています)
いっぱいになるとクレーン車のようなものがやってきてそれを釣り上げ
大きなトラックの荷台の上まで移動させます。
底が開いて、瓶や缶が、すごい音を立てて荷台に落ちていきます。
日本では、ゴミ収集日の朝8時までに出さなくてはいけないと、
寝坊や出張や不在で、家にゴミが溜まる・・・なんてことがあります。
いつでも持っていって捨てるところが身近にあるのは、便利です。
ゴミを出しやすいシステムを作るのは大事ですよね。
そして、そういった細々した手間を省かないスウェーデン人は偉い!
ところで、先日、ハイウェーを走行していたら
直前の車が、枯れ葉をリヤカーに満載して走っていました。
庭の掃除をしたのでしょう。
そして、その枯れ葉は、スコーネの強い風と
100キロを超すスピードのせいで、
ハラハラと世界に散らばっていっているのでありました。
真後ろを走っていたせいで、その枯れ葉の嵐の直撃を受けた私は、
いつも心にあるセリフを思わず、口に出していました。
「う~ん。スウェーデン人って、わからない」
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