噂・風評・流言(以下、噂)は、誰かが流せば必ず流れるのか・・・
それだけで流れることももちろんありますが、 「噂」に加え、「あいまいさ」の存在が火に油を注ぐ。
- 「噂」だけ
- 「噂」と「あいまいさ」
- 「あいまいさ」だけ
2>3>1の順で拡がりやすい。
SchachterS, Burdickの研究でこんなのがあります。
ある学校、6クラス。うち4クラスから各2人づつ生徒を(以前から予定された)面接に呼び出す。その生徒は面接の後で、「職員室から試験答案なくなったらしいけど知らない?」と聞かれる(=噂の植え付けの操作)。
4クラスでは、朝、事件が起こる。校長先生がやって来て、1人の生徒に「荷物をまとめて来なさい。今日は戻れないと思ってください」と行って連行する。(あいまいさ植え付け)
こうして、
- 噂の植え付けだけの2クラス
- 噂+あいまいさの2クラス
- あいまいさ だけの2クラス
が出来あがる。で、一日の最後に、全生徒に面接が行われて、どれだけ噂が広がったか調査。
結果は、「噂」だけだと15%、「噂」+「あいまいさ」だと76%、「あいまいさ」だけで66%で噂が広がっていたというもの。
つまり、誰かが「噂」を広めようといいまわるだけでや拡がらないけれども、「あいまいさ」の油を注ぐ。
だから、噂の制御には「あいまいさ」の最小化がカギ、だから、何か判明したことがあれば「ちぎっては投げ」式にどんどん情報発信が必要になってくるというわけです。
参考
SchachterS, Burdick:A field experiment on rumor transmission . J.of Abnormal and Social Psychology,50:363-371