新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

噂対策の基礎知識① 噂・流言が拡大する条件

2009-05-23 17:52:24 | 噂/風評/流言 対策

噂・風評・流言(以下、噂)は、誰かが流せば必ず流れるのか・・・

それだけで流れることももちろんありますが、 「噂」に加え、「あいまいさ」の存在が火に油を注ぐ。

  1. 「噂」だけ
  2. 「噂」と「あいまいさ」
  3. 「あいまいさ」だけ

2>3>1の順で拡がりやすい。
SchachterS, Burdickの研究でこんなのがあります。
ある学校、6クラス。うち4クラスから各2人づつ生徒を(以前から予定された)面接に呼び出す。その生徒は面接の後で、「職員室から試験答案なくなったらしいけど知らない?」と聞かれる(=噂の植え付けの操作)。
4クラスでは、朝、事件が起こる。校長先生がやって来て、1人の生徒に「荷物をまとめて来なさい。今日は戻れないと思ってください」と行って連行する。(あいまいさ植え付け)

こうして、

  1. 噂の植え付けだけの2クラス
  2. 噂+あいまいさの2クラス
  3. あいまいさ だけの2クラス

が出来あがる。で、一日の最後に、全生徒に面接が行われて、どれだけ噂が広がったか調査。

結果は、「噂」だけだと15%、「噂」+「あいまいさ」だと76%、「あいまいさ」だけで66%で噂が広がっていたというもの。

つまり、誰かが「噂」を広めようといいまわるだけでや拡がらないけれども、「あいまいさ」の油を注ぐ。

だから、噂の制御には「あいまいさ」の最小化がカギ、だから、何か判明したことがあれば「ちぎっては投げ」式にどんどん情報発信が必要になってくるというわけです

参考
SchachterS, Burdick:A field experiment on rumor transmission . J.of Abnormal and Social Psychology,50:363-371



 

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