芸術と機能性の素晴らしい相乗効果『中津箒』のご紹介。
「箒」は、古来人々の暮らしの中で生活の知恵として生まれたものです。高度成長期以降、生活様式は変化し、いわゆる座敷箒の需要は激減しました。しかし、掃除をする道具としてはいまだ必要とされる場面も多く、現在でも身近な存在と言えるでしょう。
関東の職人達による座敷箒作りは、江戸末期より始まると言われています。「中津箒」は、明治初期頃の人、柳川常右衛門が、関東一円を渡り歩き手に入れた箒作りの技術と材料となるホウキモロコシの種を、出身地の神奈川県愛川町中津地区に持ち帰り、産業として広めたのが起源である、と言い伝えられています。
市民蔵常右衛門 柳川 直子 (出典:資料館パネルより)
驚きの名品を訪ねて、神奈川県の中北部に位置する愛甲郡愛川町中津にある箒(ほうき)の博物館・製造、販売をしている株式会社 まちづくり山上「市民蔵常右衛門」さんへ。
お店は二階建の蔵づくり。一階には世界の民族箒が所狭しと展示されておりました。
奥の階段を上がると作り手・作家さん達の魅力溢れる箒が放つ芸術性に圧倒される空間へ。
生活用品は得てして機能性のみだけを追求されがちなんだけど中津箒はデザイン性も卓越しており、あの名品(棕櫚箒・南部箒・松本箒・・・も大好きだけどね)と謳われる箒をも凌駕しているのではないだろうか。
作り手により色や模様が異なり、見ていて飽きない箒たち。美しい模様に織りあげる技に見惚れ、時が過ぎるのを忘れるほどに。
で、特に心引かれたことはね!
日本の伝統的な箒は、かつて日本中に溢れていたものですが、現在ではとても稀少になっており、作り手は勿論の事、国産の素材すら確保が難しい状況です。市民蔵常右衛門では、原料の無農薬栽培から製造、販売までを行い、良質な箒と文化を残そうと活動を行っています。
(出典:市民蔵常右衛門HPより)
原料であるホウキモロコシを無農薬で、しかも栽培から製造まで一貫した自社生産なんて、
トレーサビリティじゃん!いいぞいいぞ。そして織り糸だって手抜かりなし!
持ち手の柄を竹で設えたものや、ホウキモロコシをそのまま柄にしたものも。
又、曲がりを残したままの自然木の柄など、作り手・作家さん達のこだわりに驚き、関心したりと。
そして、いつしか心奪われている自分に気づき苦笑してしまう…そう魔性の箒なのです(笑)。
でね、お掃除好きなんで…(えっ?)
いゃ、ごめんなさい。
言われたことがないし、あるがままの二人なんだけど、矢も盾もたまらなくなり・・・
飾っとくだけでもいいんだな、うしししし。
かつての中津で、箒作りに励んでいた職人さんで、2008年より原材料栽培も再開、主に長柄、手箒を作っています。渋めの色合いでまとめた、中津箒の復刻版が人気です。(出典:市民蔵常右衛門HPより)
電気掃除機も便利だけれども、
作り手の見える箒はくらしを彩り豊かな時を与えてくれること請け合いですよ。
あなたも是非どうぞ。
HPへ『中津箒の市民蔵常右衛門』・原材料(ホウキモロコシ)の無農薬有機栽培
・箒の製造、販売 (市民蔵常右衛門でも直売しております)。
・若手職人の育成。
・研究活動、講演、その他イベント企画。
・世界各地の箒の収集。
箒博物館「市民蔵常右衛門」
開館日
木、金、土、日曜日・祝日
(年末年始のぞく)
開館時間
10:00~17:00
神奈川県愛甲郡愛川町中津3687-1
お問合せ:
(メールフォームはHP内にあります)
TEL/FAX:046-286-7572
そんなこんなの今日も良き日。
人生万事塞翁が馬
『清沢哲夫の詩』
この道を行けば
どうなるかと危ぶむなかれ
危ぶめば道は無し
踏み出せば
その一足が道となる
その一足が道である
わからなくても歩いて行け
行けばわかるよ
やることを
やりきったならば
後はお任せ。
だから 大丈夫!
そう、
あなたなら大丈夫!
あなたのもとへ
今日・明日も
しあわせが訪れますように。
そなえよつねに
ありがとうございました。