犬吠沖の大型ハナダイと良型ホウボウは、
いつものことながら定番の刺身で堪能した。
“ハナッコ”と呼ぶには気の引ける1.2キロのハナダイは、皮を引くと脂が浮き立つほど。
独特のタイ臭さはなく、噛むほどに深い甘みが喉の奥底に広がっていく。
一方、ホウボウはこのところ頻繁に食卓に登場するため
家人からは「また~ホウボウなの」と、ホウボウの如くグー、グーと
罰当たりな言葉を浴びせられる魚に甘ん . . . 本文を読む
釣果に恵まれなかった貴重なフグは、いつも通りのてっさでヤッた。
前日比-16度など馬鹿げた日並み続きで鍋ネタには最適だが、
今回は数が限られているから、当然そんな余裕は、ない。
シーズンも終わりになり今更ながら記すと、自宅で供するポン酢は、
去年秋にふるさと豊後から送られてきたカボスを用いて作った自家製ポン酢。
滋味豊な酸味の効いたそれに、香川・坂出市の鎌田醤油「だし醤油」を少し割り足 . . . 本文を読む
今回の大原一つテンヤ釣りでは、
夕マヅメに揚がったのはほとんどマダイだったが、
明るいうちはハナダイの勢いが活発だった。
最大となったのも35センチのハナダイ。
左3枚のマダイの顔とマジマジと比べてみると、
マダイより薄みがかった赤ピンク色が、
白肌に雅な化粧を施した公家のような高貴さを感じさせる。
晩春から夏にかけて旬を迎え、
小ぶりなカスゴ(春日子)の旨さにはひけをとるものの、
このサイズ . . . 本文を読む
ヤリイカに行った同じ日、釣友K君は大原・孝栄丸から一つテンヤに釣行していた。
私とK君が末席に名を連ねる地元囃子連20人の花見宴席の食材調達のため、
2人で別々の船に乗り、魚種を揃えようという魂胆だった。
ヤリイカのタマゴ。刺身と一緒に頂くのもいいが沖漬けに入れても旨い
目論みは大当たりでK君も大奮闘。キロオーバーを含むマダイ・ハナダイ14枚に
大型ホウボウ2本、それに宿から仕入れた2.3キ . . . 本文を読む
せっかくの3連休は、春の嵐に吹き飛ばされてしまった。
20日はマルイカ、ヤリイカ、フグのいずれかに釣行するつもりだったが、
南西の強風予報にあえなく断念。目覚まし時計を解除したにもかかわらず
3時に目が覚めてしまう釣り人の性に自らを慰める。
3連休のツマミをどうするべきか早朝から悩む。
そこで思い出したのが、冷凍庫の奥で眠っている外房大原の地ダコ。
前回のヒラメ釣りで定宿の女将さんから土産に頂い . . . 本文を読む
「3月ヒラメは猫またぎ」
3月以降、産卵の終わったヒラメは身が痩せてしまい旨みが半減する。
猫さえも見向きもせずにまたいで通り過ぎてしまう、という意味で
昔からよく言われてきた諺だが、これは旧暦での話なのだろう。
タバコサイズに改めて肉厚さを実感する
この諺を鵜呑みにして3月のヒラメは美味しくない、と信じる人も少なくない。
旧暦3月12日は新暦4月25日にあたり、あと4、5日で5月。
ポカ . . . 本文を読む
ご存知、皮がペロッと簡単に剥げることから命名されたという「カワハギ」。
もちろん、親戚の「ウマヅラハギ」も、馬面のカワハギだから同様である。
ところが、容易に皮が剥げるのは手早くて有難いが、
皮の下にある薄皮が身肉に付いたまま残り、
この薄皮を取り除くのが厄介という人は、少なくない。
当日の大原漁港の水槽にも、大量のウマ君たちが疾走していた
フグであれば、取り除いた薄皮に多少身が残っても、
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オニカサゴは、本当にエライ魚だと思う。
高級料理店でもほとんどと言っていいほど味わえないバツグンの食味は
薄造りの刺身は言うまでもなく、しゃぶしゃぶ、鍋ダネと文句のつけようがない。
何より“エライ”と思うのは、その身肉はもちん各部位がことのほか旨いのだ。
目の後ろの頭上にナイフを入れ、船上でしっかりと活き〆する
一日寝かせ旨みを出したほうが好まれるが、モチモチした食感の後に訪れる甘さが味 . . . 本文を読む