ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

155. ルアス・フロリーダス

2019-08-01 | エッセイ

 ニュースを見ていたら、アレンテージョ地方のルドンドで7月27日から8月4日まで恒例の祭り「ルアス・フロリーダス」が開催されるという。町の幾つもの通りにテーマを決めて飾りつけをする。全て紙を使って表現する、紙の祭りだ。以前は毎年開催されていたが、最近は2年に一度ということになって、そうなると今年は開催年かどうかわかりにくいので、うっかり見逃すところだった。ニュースを見て、出掛ける気持ちになったのだが、初日の27日の土曜日以外は他に用事があって行けない。天気予報では27日だけ曇り、しかも降水確率90%。でもまさか7月末に雨は降らないだろう。しかもアレンテージョ地方は今年の冬から雨が少なすぎて、溜池やダムの貯水量が危険水域だという。いくら天気予報とはいえ、まさか雨は降ることはないだろう。ということで翌日でかけることにした。

 ところが朝、外を見ると濃い霧が立ち込め、しだいに霧雨が降り始めた。でもいつも霧はしばらくしたら何処かに消えて、そのあと青空が現れて、良い天気になる。しかも3時間ほど走ってスペインとの国境近くまで行く間に、暑い夏日になるだろう。

 でも1時間走っても2時間走っても空はどんよりと厚い雲におおわれて、エヴォラを抜ける頃には霧雨が大粒になり、とうとうワイパーを使うはめになった。ルドンドに到着すると、雨は小やみになったが、歩いている人たちは傘をさしている。私たちも傘を持っていくことにした。真夏の7月末、傘をさすとは?異常気象だ。

 

 飾り付けた作品がこれ以上濡れない様に、スタッフが慌ててビニールで覆いをしている。

スペイン人の観光客が傘をさしてそれを見物。

せっかく作った屋根の日よけも雨にあたって無残。

 

石畳の上にもたくさん落ちている。

 

例年なら猛暑のための日除けで、風に吹かれてかさかさと音をたてて気持ちが良いのだが、今年は異常気象で雨が降り、溶けた染料が私の白い服に点々と染みを着けた。

 

白い紙の花も無残!

 

路上に飾られた花も色が溶け出して、石畳を染めている。

 

教会の前の広場も雨で濡れそぼっている。

 

ずらりと並んだ風車

 

 

 

 扉を開けている妖精たちも濡れない様にすっぽりとビニール袋をかぶせられている。

 

 

仮設のバルの入口にはシマウマ

 

ルドンドの市役所前。立派な噴水からは水がちょろちょろとしか出ていない。冬から雨が少なく、アレンテージョは水不足なのだ。ところが祭りの初日に雨が降ってせっかくの盛り上がりに水を差されたようだ。でもスペイン人観光客が大勢詰めかけて、盛り上がっていた。帰り道、観光客で満席の観光バスが数台すれ違った。夜には舞台でバンドが演奏して、数人の歌手が歌うらしいから、スペイン人もポルトガル人も飲みながら夜中まで歌い踊ることだろう。

 

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