ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

159. 11月の森を歩いてみた

2019-12-01 | エッセイ

雨が降らない、ダムの底が見えた~と騒いでいたら、11月になってから毎日雨が降り始めた。それから10日後、ようやく晴れ間が戻って来た。ひょっとしたら森の中ではキノコがむくむく頭をもたげているのではないだろうか~、そう思うと無性に行きたくなってきた。

森の中は木漏れ日がさんさんと照り、気持ちの良い風が吹き抜ける。

土曜日なので近くの塩田で働く労働者の姿も見かけない。

コルク樫や松の大木の下は、以前はトゲトゲのきつい草がびっしり生えていたのだが、森全体がトラクターできれいに耕されている。その中に点々と淡いピンクの花が咲いていた。あっちにもこっちにも今を盛りとさいている。サフランだ。サフランはアヤメ科の多年草で、そのめしべを乾燥させた香辛料をさす。西南アジア原産で、最初に栽培されたのがギリシアとされる。地中海の島で発掘された壁画によると、青銅器時代から栽培されたと考えられる。

サフランは袋入りで売っているが、結構高い。初冬の森にたくさん咲いている花の黄色い雄蕊を取ろうかなと思っていたが、ひょっとして毒のある犬サフランではないかと心配にな

り、写真を撮るだけにして何年も過ぎた。

 

コルクの皮をはがれたコルク樫がずらりと立っている森。皮をはいだあとは茶色の塗料を塗って数年経つとまたコルク質の分厚い皮が再生する。

 

陽当たりのよい草地に咲くサフラン。

 

森に咲くサフランの花

 

森の中に入ると土はふかふかで、むっくりと土を持ち上げてキノコが顔を出していた。もうすでに溶けかけたものもある。少し遅かったかと思いながら奥に進むと驚くほど巨大なキノコがドンと一本立っていた。これはなんだろうか?これ一本だけで存在感があり過ぎる。

軸の周りは10センチほど、傘は直径20センチ以上もあり、がっしりと立っている。傘の表面は黒い。しかしかなりめくれている。名前は全然見当がつかない。ずいぶん前によく似たキノコを見たことがある。それはかなり細い普通サイズだったが、その時も名前が判らなかった。今回も不明。

 

直径20センチ以上もある巨大なイグチ系キノコ。

 

朽ち木に生えるオオワライタケ

 

 チチタケ?土からむっくりと顔をもたげた肌色のキノコ。直径10センチほどで、周りの落葉を優しくどけただけで白い乳液が出てきた。

 

名前の判らない地味な色のイグチ系キノコ。

 

今回は出ているキノコも少ないし、またしばらくしてから来てみよう。

 

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