ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

199. 日本食材

2023-09-01 | 風物

 ずっと前から願っていたことだが、私の住むセトゥーバルに日本食材が買える店ができたらいいなと思っていた。中華食材店でも日本食材は数多く売られている。キッコーマン醤油、味噌、寿司海苔、ワサビなどだ。日本食材店というものがなかなかないから中華食材店に売られている日本食材には重宝する。もし日本食材専門店があったとしても日本食材店では値段が高い。

セトゥーバル中心部とセトゥーバル港。左上の緑はボンフィム公園(我が家のベランダから撮影)

 

 リスボンには数件の中華食材店があるのだが、クルマで買い出しに行くと駐車場がどの店にもない。以前は店の前に路上駐車をしていたのだが、警察の取り締まりがきつくなり、マルティン・モニッツの地下有料駐車場に停めて階段を昇り中華食材店までたどり着きようやく買い物をしていた。買い物袋はけっこう重たくなり、店から駐車場まで持って戻るのに疲れ果てた。

 セトゥーバルからリスボンまで買い物に行くには高速料金やヴァスコダガマ橋の料金を払う。

 セトゥーバル半島とリスボンの間にはテージョ川が流れていて、その間には二つの橋がかかり、そのどちらかを渡らなければならない。橋の料金は行くたびにわずかずつ値上がりしていて、しかも料金はリスボンに入る時に往復料金を強制的に取られる仕組み。その代わり、リスボンから出ていくときは支払い無料。変な仕組みだ。

 二つの橋は長さがぜんぜん違う。ヴァスコダガマ橋は全長17キロもある。もうひとつの4月25日橋と比べて数倍以上の長さだ。料金の安い4月25日橋からリスボンに入って、帰りはヴァスコダガマ橋から出たら、安上がりだ。でも4月25日橋にたどりつくまでがややこしいから、いつのまにか往復ともヴァスコダガマ経由になっている。

 だからセトゥーバルでなくとも、橋の手前セトゥーバル半島内に中華食材店が出来たらいいのにな。と以前から思っていた。

 さて中華食材店で何を買うかと言ったら、まずキッコーマン醤油、トーフ、大根、油揚げ、インスタントラーメン「出前一丁」など。

 でもこのごろは大型スーパーでキッコーマン醤油やインスタントラーメンなどは売られているから、少し割高だけど買ったりする。トーフはバイオの硬いトーフだがドイツ系のスーパーでいつでも売られている。でもトーフとはほど遠いものだ。硬いというよりガチガチ。ドイツ人にとってのトーフは植物性のチーズのイメージなのだろう。あまり美味しいとは言えないけれど、しかたなく買っている。

 我が家ではニラとパセリを北側のベランダでプランター栽培している。どちらも野草のように元気に育っている。しかし今年は4か月も帰国していたので、ポルトガルに戻って来た時はさすがにカラカラに枯れていた。これは回復できないだろうなと諦めかけていたが、枯葉を取り除いて水やりを続けているうちに緑色の葉っぱが次々と出て来て、いまではしっかり収穫できて役に立っている。野菜炒めやサラダなどに入れて、無農薬だから安心して使える。

 海外に住んでいるとたまには日本食が恋しくなる。殆どの食材をポルトガルのスーパーで買っているが、時には日本食材を使って味噌汁や鍋料理などをしたくなる。そういう時にお助けになるのが中華食材店で売られている日本食材だ。

 それがとうとうセトゥーバルにも一軒できたので、嬉しい。リスボンに住んでいる弘子さんが教えてくれた。彼女は乗り放題バス券を購入しているので一ヶ月40ユーロでリスボン市内や近郊、セトゥーバルまでも乗り放題だ。

 弘子さんはクルマもお持ちだが、リスボン周辺公共交通機関乗り放題券ライフを楽しんでおられる。「武本さんたちは半額の20ユーロなのだから絶対にお得ですよ。是非、買いなさいよ」と勧めてくれる。リスボンを中心にしてシントラやセトゥーバルまで広範囲のバスや列車を利用することが出来る。それでセトゥーバルにバスや電車でやってきて、ウォーキングツアーに参加したり、タイ式マッサージに行ったりされている様だ。

 絶対にお得なのは判る。もし私たちがそれを使う様になれば、元を取ろうと毎日の様に出歩くことになるのだろう。健康にも良い。でも家に居て絵を描くことが仕事なので、あまり出歩いてばかりいると仕事にならない、とも思う。

 私たちはこのごろ家に引き籠りがちで、セトゥーバル市内はめったに歩き回らないのでそんな中華食材店ができたなんて知らなかった。すばらしいニュースだ。

 弘子さんとセトゥーバルのメルカドでお会いする約束をした。リスボンからセトゥーバル駅まで列車で来られる。それからメルカドまで歩かれるわけだけれど、途中、ボンフィム公園の脇を通って来られるそうだが、そのボンフィム公園の側に中華食材店が出来ていた。と興奮気味に教えてくれた。そこは以前から中華雑貨店だったらしいが、食材店に代っているらしい。

 弘子さんはリスボンなので、近くに中華食材店があるのでいつでも日本食材は買うことが出来るのだが、私たちの為にそのボンフィムの中華食材店内をひと回りし、確かめてくれたらしい。「小さいお店だったけれど豆腐や醤油などひと通りの品物は揃っている様ですよ」。

 さっそく行ってみると、中華食材店だが日本食品や韓国食品まで置いてある。それとポルトガル人用に日用品やポルトガル食料もある。ミニスーパーメルカド、日本のコンビニというところだろうか。

 とりあえず豆腐とモヤシ、大根、胡麻油、餃子の皮を買った。店の周りは公園なので駐車場はたくさんある。平日は有料だが、土曜の午後からと日曜日は無料。店は年中無休。

 これからはリスボンに行かなくてもいつでも買うことが出来る。弘子さんに感謝。MUZ

 

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