医大生・たきいです。

医大生的独言。

既成事実があるから

2015-05-13 23:59:59 | 医大生的生活

心電図の実習がありました。人型の模型もありましたが、やはり人体そのものとは異なるということで自分が被験者を買って出ることに。上裸になって、ベッドの上へ。どれが第2肋骨?とか言われながら身体を漁られます。女の子も触ってきます。授業中にみんなが真面目な顔して誰かの身体触るのって冷静に考えると変な環境だなと思った今日この頃なのでした。医大生・たきいです。





医学教育は詰め込みに次ぐ詰め込み教育なんだということは入学前から諦めていた事実ですが、それは医学知識に限ったことというのが従来までの認識。このところその認識を改めて、医学知識に留まらず実技までもが詰め込み教育なのだと気付かされたものです。短い時間でいろんな項目が光の速さで進められていきます。他の学部の人と話すと驚かれるけど、医学部には「空きコマ」という概念がありません。全科目必修で落単は一切認められません。養豚場の豚のように肥やし続けられるわけです。

その勢いで講義だけでなく実習も進みます。実習がどんどん進んでいく怖さといえば、

「もうやったよね?」
「知ってるよね?」
「習い終わったんでしょ?」

という教員サイドのセリフを許さねばならぬ状況が知らぬ間に築き上げられていること。我が大学、既成事実作りがお上手なのです。これは学生にとってプレッシャーです。今日も心電図のつけ方を教わりましたが、いざ現場で「学生さん、心電図早くつけて!!」とか怒られようものなら頭が真っ白になりそうなもの。暗記しているはずの電極の色も、そんな剣幕で言われたら、いくら習ったとはいっても一瞬で吹っ飛びそうなものです。笑

大学に入って初めて、この世の中には本当に一回読めば問題全部解けちゃうような人間がいるのだと知りましたが、この実習の詰め込み具合はそうした人間に照準を当てられている気もします。養豚場で口を開けて待っているような毎日から足を洗って、能動的な学びに転換していかねば生き残れないと直観したのでありました。






(創立記念日が土日に被りにくい学年で入学してよかったと思っている人(笑))