医大生・たきいです。

医大生的独言。

【まとめてみた】精神科回る前に読んでおきたいこの1冊

2015-07-10 23:59:59 | 医学書レビュー

2週間お疲れ様でしたということで班のみんなでランチ。



友達が食ってたトビウオがめちゃくちゃ気になりました。ギョギョッ。医大生・たきいです。



以前、精神科医に「初学者の学生が読むのにいい精神科の教科書はどれですか?」と聞いてみたら教えていただいたのがこの2冊。標準精神医学と現代臨床精神医学。

標準精神医学 第6版 (Standard textbook)
野村 総一郎
医学書院


現代臨床精神医学
「現代臨床精神医学」第12版改訂委員会
金原出版


個人的にやや厚いながらも「現代臨床」の文章のほうが読みやすかったんですが、幅広く勉強するには薄い「標準」のほうがいいかなと身の丈に合わない発言をして結局統合失調症とうつ病のあたりをちょっとしか読まなかったことが印象深い。なんとなく覚えた単語を羅列することはできても、今一つポイントを掴みかねていました。さらには勉強しなきゃいけないのは精神科だけではないので、なかなか通読は難しいわけです。といっても勉強熱心で優秀な同級生は何気なく通読していたあたりに能力の差を感じましたが(笑)

ベテランドクターとして現在ご活躍の世代は、なんと国試でさえもマイナー科は厚労省から発表された科目しか出題されなかったのだとか。今年は皮膚科は勉強しなくていけますラッキーとか昔の医学生は言えてたわけです。それならば1冊読破とかもやれそうなものですが、現代の医学生はすべからく全科目制覇することが求められます。秀でた能力をお持ちの方々は何から勉強してもやり切れるのでしょうが、凡人医学生はどうすれば効率がいいかと考えなければ今の時代生きていけないのです。

なかなか時間は割けないけど、国試の4問に1問は占めると言われているマイナー科。短時間でビシっと要点を抑えられる方法はないものか…という医学生のお悩みを解決するのがこのシリーズ。

精神科 (シリーズまとめてみた)
天沢 ヒロ
医学書院


そうです、今年から発売開始されたまとめてみたシリーズです。

臨床ではAの場合もある、Bの場合もある、Cの場合もあるという例外的なことに驚くばかりですが、基本を知らなければなにが例外なのかも分かりません。著者個人の意見ですが、医学生はまず基本を完璧にすることが重要だと考えています。―まとめてみた精神科「まえがき」より


待ってましたこういう本。冗長な説明は皆無。端的なイメージの暗記で国試の過去問もスラスラ解けちゃいます。精神科回っている間に2回読みましたが、精神科だけなら国試行けるんじゃないかと思えたほどです。一読すれば理解できる文章の平易さももってこい。まずはコレで全体を大まかに理解してから講義にでれば理解も深まりそうですし、前述の2冊ももっと楽しく読めそうです。

そういえばCBT。あの試験って何故か精神科の問題いっぱい出題されていた気がします。自分だけだったのかもしれませんが10問くらい出題されていたのでは。CBTの試験中に「こんなに精神科たくさん出題されるならもっと勉強しておけばよかったよ…」と後悔した記憶があります。まとめてみた精神科を読んでおけば、CBTの精神科問題はラクラク満点狙えるでしょう。コスパのいいCBT対策としても本書はオススメです。

というわけで、診療科ごとに読んだ本の感想をブログに書いていこう式勉強法を始めておりますが(笑)、これなら続けられそうですのでどうぞ今後ともご期待くださいませ。







(夏休みの計画立て始めた人(笑))