夜中にぱらついた雨も上がって
珍しく朝から青空が広がった今日の午前中
太陽が出ていても
12月はやっぱり寒いけど…
それでも
何日かぶりに屋根をオープンにして
初孫くんをこども園まで送ったあと
すぐに着替えて日課のジョグへ…
幸いにも
持病の坐骨神経痛は激痛まで至らず
2日間の休足日の後だから
10キロくらいは走りたいと
いつもの10キロルートへ…
走り出してみると
たしかに激痛ではないものの
ストライドを広げると痛みが大きくなり
普通のジョグまでにはなかなか届かない
4〜5キロ走れば
痛みにも慣れてそこそこ走れるんだけどなぁ
そう思いながら走っていた
4キロ近くまで来たとき
少し離れた通りの交差点にある公衆トイレで
尿意をもよおす前に早めに用を足そうと思い
いつもは通らない交差点の
タイル歩道方向に舵を切った
それが…
いま思えば
まるで魔がさしたように…
そこそこ順調に走れてたはずなのに…
タイル歩道の交差点の
向こう側を歩いてた誰かの姿
知ってる人のように思えて
目を凝らそうとしたそのとき…
アッ!
僕の目の前に
歩道のタイル模様が飛び込んできた
と同時に
両膝と手の平と両肘に鋭い痛みが走った!
やった!
コケた!
そう!
コケたのだ!
何かに躓いて…
しばらくコケたそのままの俯せの姿勢で
動くことが出来なかった
痛みがあったから
だけじゃなく…
精神的にもショックを受けて…
(絶対に誰かに見られてるな)
(ジジイランナーのコケ姿…)
(それにしても痛すぎるな〜)
(こんなにも痛かったっけ?)
短時間にいろんな思いが巡って
まずはやっとのことで仰向けになった
仰向けになるだけでも大変だった
手足にまったく力が入らないのだ
なぜか…
あまりにもみっともなくて
すぐに起きあがろうとしてみるものの
身体が言うことをきかない
手で身体を起こそうと思っても
手の平や肘が痛くて動かない…
膝も痛くて曲げられない
どうしちまったんだ?
やがて思い出したかのように
急に汗がどっと吹き出してきた
(何かのバチあたりか?)
流れる汗を拭うこともできず
仰向いたままボンヤリ青い空を眺めていると
ふと独身キャリア女子の顔が浮かんだ
(やっぱりバチあたりか…)
(ジジイの老いらくの恋…)
幸か不幸か
誰にも助けてもらえなかったけれど
たくさんの人に見られることもなく…
ようやく立ち上がって
ジョグをやめようかどうか迷いつつも
トイレを済ませると
残りの6キロばかりを再び走り出していた
痛みを堪えつつ…
坐骨神経痛だけでも大変なのに
コケた痛みも加わるなんて…
なんとか
10キロを走り終えてシャワーを浴びてると
擦りむいた両手両肘両膝の傷口に
熱いお湯がシミて思わず声が出た
ウウ〜ッ…
コケて痛いのは
生きてる証拠か?
ってことは
坐骨神経痛もそうゆうこと?
玄関の郵便受けの下に落ちていた
僕あての手紙
見覚えがある封筒は
5月に80キロ付近で
リタイアした?させられた?
ウルトラマラソンの次回の案内通知だった
80キロ付近で
事務局のワゴン車に強制収容されたとき
情けないほど脚が動かなくなって
もう2度と103キロは走れないかもと
次回は半ば諦めかけていたのに…
来年5月の大会は62キロに縮小されたと…
老いぼれジジイランナーの触手をくすぐる
そんなウマい話に変わるなんて…
なんてこった!
これじゃもう一度走れと
言ってるのと同じじゃん!
見境いのない欲ボケジジイだから
ゴキブリホイホイみたいに
簡単に引っ掛かっちゃうじゃねぇかよ〜
この際
簡単に引っかかってやろうじゃないか!
たとえ103キロの大会に戻ったって
毎回走ってやろうじゃないか!
強制収容されようとされまいと!
死ぬまで参加し続けてやるよ〜!
(ウソだろ?)