(↑ 綻び始めた近所のソメイヨシノ@2022年3月24日
※記事内容とは関係ありません。)
最近の東京新聞の記事より、読者の投稿一篇とコラム担当者のコラム一篇を紹介します。ともに、ウクライナ問題を巡る報道のあり方に疑義を呈するものです。
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2022年3月21日付東京新聞朝刊 読者投稿欄より
「国際情勢分析 冷静に」 大学教員 池田 賢市 59(東京都世田谷区)
ウクライナへの軍事侵攻でロシアが非難されてしかるべきだということを前提にした上で、あえてマスコミに言いたい。今、「勧善懲悪」の単純な図式でしかものが見えなくなっていないだろうか。
過去に米国が国際秩序の安定やテロとの戦いなどと称して行ってきた軍事行動に対し、私たちが今回と同じように反応できていたかどうか。西側資本主義経済体制の論理に浸りすぎていて、別の枠組みから見ると全く異なって見えることを忘れてしまっている。
ロシアの行動の道徳的判断をしたいのではない。人殺しをしているのだから考えるまでもない。ただ、なぜこんなことになってしまったのか。要因は私たちにもあるはず。考えたいが私には力量が不足している。国際情勢の冷静な分析と丁寧な報道をお願いしたい。
2022年3月24日付東京新聞朝刊 「本音のコラム」より
「戦争と解説」 三木 義一(よしかず) (青学大名誉教授)
「ご隠居、ロシアの侵攻以来、ずっとご機嫌斜めですぜ」
「これが怒らずにおられるかい。毎日悲しい報道だ。ところが、ワイドショーなどではしろうとの芸人や政治家に思いつき発言をさせておる」
「確かに。でも、専門家の解説だって難しいし、怪しいのも多いな~」
「現在おきているのは、国家間の戦争だ。双方とも情報操作に必死になっているはずだ。だから、本当のことは専門家でもよくわからない。専門書を読んでいても、今後のことはわからんじゃろ。だから慎重になる」
「プロは自分が知らないことを知っている、ってわけだ!」
「同時に現代の戦争報道の多くは広告代理店が仕掛けている。だからより慎重にならねば」
「てえと、専門家であれ素人であれ、テレビに出て、かっこよく断言する人は自分が知らないことも知らないのか、情報戦に好都合な人?」
「おそらくな。それに、テレビは発言する者しか映さんから、映るための思いつき発言が次々出てくるのじゃ」
「そういう角度から考えてみると、浅はかな議論なのに、テレビで重用される意味が分かるな」
「浅はかの『はか』は本来『量』だったようだが、浅墓という当て字が使われることも多い」
「おや、何で?」
「たぶん、墓穴を掘るからだろうの~~」
(※タイトルや文中の太字化と段落分け、池田氏のプロフィールに関するリンク情報選択は、ブログ管理人によります。人物同定が間違っていたらごめんなさいm(__)m)
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日本では、いまだに新型コロナワクチン接種の3回目がどうの、さらには4回目までもが云々されていますが、欧米ではコロナ騒ぎが沈静化してきているようです(ドイツにいる娘もその見立てです)。その矢先にロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まり、コロナ報道が一斉にウクライナ報道に切り替わったかのようです。私はなんだかきな臭いなーと当初から感じていましたが、「プーチンが悪い。ウクライナはかわいそう。ゼレンスキーがんばれ!」のような一辺倒の報道のあり方に、さらに違和感ときな臭さを感じてきました。コロナ騒ぎ以来、どこか既視感があるような…(^^ゞ
そこで読んだのが前者の池田氏の投稿で、「我が意を得たり!」でした。
さらに、後者の三木氏のコラムにある「現代の戦争報道の多くは広告代理店が仕掛けている」には「やっぱりね!」(^^; 日本の場合は、政府の大好きなD社さんですかね。その後ろには、〇中△蔵氏のような黒い影がちらついているように見えるのは私だけ?!(^^ゞ そして、「戦争報道」を「コロナ報道」に置き換えても、概ね文脈は通じる気がします(^^;
『日本人が知らない 世界の黒幕 メディアが報じない真実』(元駐ウクライナ大使 馬渕睦夫著)という著書を、私は読み始めています。すると、コロナ禍に始まり、現在さらに激化している異様なまでの一辺倒な西側諸国の対応や報道の意味、さかのぼって過去の内乱や紛争や戦争、歴史的大事件の意味などについて、今まで疑問だったことが一気に腑に落ちる感じを覚えます。さらに、トランプ元大統領について私の中で謎が多かったのですが、それらの一つ一つが解き明かされるようでした。粗野で破天荒に見えていたトランプ氏が、なぜ先の大統領選で白人の過半数に支持されていたのか、なぜ一国の大統領がツイッターを使って世界に訴えるという手段を取らねばならなかったのか、なぜ一民間企業であるツイッター社がトランプ氏のアカウントを停止するという人権侵害の暴挙に出なければならなかったのか or 出ることが可能だったのか…などなど、いろいろな疑問が氷解するかのごとくなのです。
馬渕氏は、メディアの報道を信じている一般人にとっては突飛な説を呈しているので、とかく陰謀論者として扱われる向きがあるようですが、世界各国(大使館職員として在イギリス・インド・ソ連・アメリカ(N.Y.) 公使として在イスラエル・タイ 大使として在キューバ・ウクライナ兼モルドバ)の情勢を視てきた日本人である馬渕氏が実際に陰謀論者だとすれば、陰謀論者と揶揄されるリスクを賭してまで、なんのためにそうするのでしょう? 私にはその理由や動機がわかりません。
このブログで度々言及してきた国際ジャーナリストの堤 未果氏も、私がその慧眼を買っている人の一人です。「カネの流れを追うと真実が見える」とは、彼女がよく言う言葉です。ウクライナ問題も「カネの視点」で見ると、何か違って見えてくるかもしれませんね(^^;
馬渕氏が言うように、今まで歴史の教科書で教わってきたことや、テレビや新聞などを通じて見聞きしてきたことが、実は恣意的に統制され、創られてきていたものだとすれば、一体何を信じたらよいのか…途方に暮れてしまいます。また、私が陰謀論者と言われる人の見解を支持すれば、私自身も揶揄の対象になりかねません。
でも、いつもこういう局面で自分に言い聞かせること…それを今回も繰り返すしかないです。疑問に思ったことを自分で調べ、自分の頭で考え、事の本質をつかむよう努力すること…それを繰り返すことで右脳と左脳の両方を磨き、玉石混交の情報の山から玉を選ぶ目を養い、判断力や思考のブレを防ぐこと…何より、少数派になることを恐れないこと、諦めないこと…これに尽きると思っています(^^ゞ すべては子孫のために……。
【後日追記】(2022.3.29) ---------------------------------------------
こちらのブログ読者から、米国のオリバー・ストーン監督が2019年に制作したウクライナについてのドキュメンタリー映画を紹介してもらいました。オリバー・ストーン監督といえば、自身のベトナム戦争体験を基に作ったといわれる映画「プラトーン」が有名ですね。1時間半ありますが、上述の馬渕氏が言っていることと共通点があり、とても興味深いです。
「Revealing Ukraine 2019, Documentary by Oliver Stone」
--------------------------------------------------------------------以上
【後日追記】(2022.3.30) ---------------------------------------------
3月28日付の東京新聞朝刊の読者投稿欄に、こんな意見が載りました(↓)。
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「ロシアはかつての日本の姿」 黒川 繁昭 自営業 77(横浜市青葉区)
ロシアのウクライナ侵略で連日報道される生々しい被害状況は目を覆うばかり。しかし、これは決してひとごとではないのだと、若い方にはぜひ知っておいてほしいです。今のロシアはかつての日本の姿であり、ウクライナは日本に侵略されて荒廃した中国の都市や村の姿です。同時に、その後始めた米国との戦争により核爆弾や無差別攻撃で焼け野原となった無数の日本の都市の姿でもあります。
明治維新以降、大日本帝国は富国強兵で旭日旗を掲げて対外戦争を始め、日清・日露戦争を経て台湾や朝鮮半島を植民地化、中国大陸に侵攻。ついに満鉄を自ら爆破して中国軍の仕業と偽り、全面戦争を仕掛けて傀儡(かいらい)政権をつくりました。当時の国際連盟から非難されると脱退、欧米から経済制裁を受けると無謀な対米英戦争を始めたのです。
国内では反戦的言動を「非国民」として徹底的に弾圧し、マスコミを規制。それが発する情報は大本営発表のフェイクニュースばかり。国民は勝っていると信じ込まされ、子どもたちにも「日本は神の国だから神風が吹いて勝つ」とか「鬼畜米英」と教えました。まさに今のロシアと同じことをしてきたのです。
戦争は絶対悪です。人間を狂気にします。いったん始めると止めるのは至難の業です。威勢のいいことを主張している政治家をリーダーに選ぶと、戦地では加害者として、国内では被害者として苦しむのは必ず普通の市民です。政治家ではありません。
(※タイトルや文中の太字化と段落分けは、ブログ管理人によります。)
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ウクライナ問題に乗じ、政治家が核共有を口にしたり、憲法改正(私にとっては改悪(^^;)へ思い切り舵を切ったり、それに伴って国民側もその機運に乗ろうかのような危うい気配を感じます。この黒川氏はそれに警告を発しているのでしょう。
人やモノに温かい視線を持つことと感情に流されることとが同義ではないのと同様に、冷徹怜悧な(冷静な)視線を持つことと考え方が冷たいこととは同義ではないですよね。温かい視線と冷静かつ客観的な視線を併せ持つこと…これが大事だと思います。
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また長くなりました。最後までお読みくださり、ありがとうございますm(__)m
国家の枠組みやグローバリズムが進む以前のイデオロギーの定義にとらわれて考えていると、世界情勢の構造の本質は見えてこないと改めて実感するtakuetsu@管理人でした。
恥ずかしながらあの党の人かと大きな勘違いをしてました。
本、読んでみようと思います。
今日、自分のブログで紹介した動画と共通するものがありそうです。
ポッケニャンドリさんのブログを拝読するようになってから、調査力と冷静で客観的な分析力、さらには簡潔でわかりやすい表現力に感心することしきりで、羨ましくも思っておりました。こんなふうに簡潔に上手に伝えたいものだと…。ご存知のように、私のスタイルはその真逆ですから…とほほ(^^;
馬渕氏は数多くの著作を出しているので、どれをとっかかりにしようか迷いました&できれば最新版を読みたかったのですが、高価である(Kindle版もありますが)ため、まだ菅政権の頃に出されたものを読んでいます。
また、例の党がらみの人(?)が配信している動画ではありますが、最近のものなので、それも併せて彼の見解を読み砕いているところです。
ぜひ彼の見解に何らかの形で触れてみてください。
ご紹介の動画もじっくり視聴しました。確かに馬渕氏が言うところと共通部分があります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(私の居住地の隣りの市でお育ちになったそうですね。それだけでも親近感が湧きます。)