「平和百人一首」とこのシリーズについての解説は、初回記事と2回目の記事をご参照ください。前回記事はこちらで見られます。
なお、かなづかいや句読点、形式は原文のままとするので、読みづらい点はご了承ください。
平和百人一首
おほらかに蒼穹の地球を包むごと 人も垣せずむつみゆかまし
東京都下小金井町 市村 宏
もう人類は垣根争ひをやめなくてはいけない。銀河系の一角に立つて地球を見下すような気宇を持つべきである。
そこには蒼穹の深い海の中に輝く星としてのみ地球がある。
人間の弱小を宗教的にだけでなく、科学的に自覚し、己が己がの慢を脱却したら、渺たる蝸牛角上に等しい星の上で攻め合い殺し合ふことの無意味を悟り得るであろう。
世界連合国家の建設、これこそ人類に課せられた新しき課題でなくてはならない。
「アジャは一なり」は、余りに狭すぎた。
「世界は一なり」であるべきであつた。
地球を含む空の深さを知れば人類は、そのささやかな垣根をとり払うべきをさとり得るであろう。
(宏)