これはノブミツの若き父みつのぶが経験した出来事や。
みつのぶは、
その年はツイてなかった。
胃潰瘍を発症したので、
病院で入院したら、
コロナの院内感染に巻き込まれた。
やっとで退院した日に、
ハンドルから手を離して顔を覆って泣く女が運転する車にはねられた!!
足を複雑骨折する。
約半年もかかって職場復帰すると、
いつのまにか、
自分の後輩が昇進していた。
やる気が無くなったみつのぶは、
足が痛いだの、
身体がダルいだの言って、
欠勤することが多くなった。
みつのぶを以前から買っていた部長は、
そんなみつのぶの態度に心を痛め、
しばらく支店勤務を言い渡した。
みつのぶが配属された支店は、
徹底的な営業力と一般事務に定評のあるところやった。
みつのぶは、
本社と同じ一般事務に所属することになった。
この事務室は、
テキパキとこなす社員に混じって、
パソコン💻の前でナニもしない数人の社員がいた。
みつのぶの隣のデスクの社員が、
「社内ニートさ」とささやいた。
みつのぶは、
「社内ニートなんか使い道ないんじゃないか?」とささやき返すと、
隣の社員はニヤリ😏として、
「イマにわかる」と確信をもってささやいた。
そこに、
支店の事務部長が来て、
部長席に座った。
すると社内ニートしていた男性が部長室の隣に来て、
アカペラで、
昭和の歌謡曲を上手に歌い出した。
みつのぶが驚いていると、
隣デスクの社員が、
「ウチは部長が有線断って、ラジオもつけない代わりに、社内ニートを歌わせているのさ」と説明した。
みつのぶがショック🤯を受けていると、
隣の社員は、
「社内ニートにはナニか仕事をあげないとね。それから電気代とかの節約にもなるし」と再び説明した。
休憩時間になった。
みつのぶは用を足そうとトイレに行こうとした。
すると、
トイレの個室の前で、
アカペラで歌っている社員がいた。
みつのぶがまた驚いていたら、
先程の隣デスクの社員が来て、
「課長が入ってるんだな」と言うので、
みつのぶは、
「どうしてわかる?」と尋ねた。
隣デスクの社員は、
「ウチのトイレの個室は音姫が無いから、社内ニートの歌で音を消してるのさ」と説明した。
再びみつのぶはショックを受けた。
そして、
支店で力の限り働き、
本社に戻っても力と心と精神の限りを尽くして働いたので、
みつのぶを買ってた部長の推薦で、
現在、
昇進している。
「怠ることなく我が道を往くものに、地位と名誉と財産が後を慕う 」by牧カオリ