Truth Diary

父の日によせて 結び

 前回は戦死した父の事を書いたがその父亡きあと、入り婿となって家を支えてくれた継父のことを書いてみる。少しばかりの田畑しかなく財産もない農家に、親戚筋から入ってくれ休むことなく働き家を支えてきてくれた恩人。
 おかげで私は農家仕事をすることもなく好きな道に進むことが出来た。現在満94歳、働いたお蔭か壮健で畑仕事も少しずつではあるが休まない、酒も現役で、毎日欠かさないお酒は仕事疲れの妙薬であるようだ。そんなき真面目さは生き方だけでなく、書く文字にも如実に表れて、今も変わらず中学生が書いたかと思われるようなような、キッチリとした楷書体での手紙をよこす。一般的に文字は年齢と共にだんだんと枯れてくると言い、筆の止めや払いが曖昧になり、行書っぽくなるものだが、常に紋付袴姿のようなきちんとした楷書体が崩れない。こうした律儀な継父が居てくれたから今の自由な私の生活がある。亡くなった父は正反対に30代で書いた文字が、かな文字のような流麗な書体だった。
 書体は人柄をしのばせると言うが、自由闊達な性格だったのかもしれない。いずれも私が持ち合わせていないものを持っている二人の父に感謝している、間もなく父の日。

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