Truth Diary

映画fukushima 50(フィフティー)

 東日本大震災による大津波で原子力発電所の制御用電源を全て喪失し原子炉を制御できなくなり高温と高圧力にみまわれて建屋爆発を起こした東京電力、福島第一原子力発電所の当時所長だった吉田氏と地元福島県富岡町出身の当直長や運転員が原子炉爆発を阻止するため命を賭けて守った実話を基にした映画だ。
 もし原子炉爆発の大惨事になれば東北はおろか日本否、世界全体が滅亡する危機に瀕した時家族、故郷、日本国を身を挺して守ろうと決死隊を組織して危険極まりない放射線量の中に送り出さざるを得なかった吉田所長、運転員と周辺市町村の住民の生死を任せられた現場当直責任者の苦悩と葛藤、自分たちが命を顧みないで誰がやると使命感に燃え死を覚悟して放出弁を開けに向かった地元出身の運転員の崇高な精神を描き、この時発電所に残った名もなき運転員や作業員らは海外から「fukusima 50」と呼ばれ賞賛された。
 対照的に現場の状況も把握できない安全な東京で電力本店に乗り込み幹部らにパニック状態で怒鳴り散らし事態収拾を混乱させる国の最高責任者ら、そして緊急避難命令で混乱する地元住民の姿が悲惨だ。
 発電所現場で生死を賭ける息子や夫父を案ずる家族などの人間ドラマを描き、何故この事故は起きたのかを見つめ、今世紀の大事故に直面した極限状態で夫々人間としての真価が問われ、平常時立派に見える人が醜態を晒したり、市井の人々が使命感に燃え崇高な行動をとれるかが問われると映画は語っている。

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