気ままぶらぶら

世間の片隅に住む、おじーさんのブログです。 嫁とのバトル、絵手紙紹介、ランチの紹介などジャンルは無節操。

絵はがき 祖母の蕎麦

2020年02月26日 | たなのぶパソコン画


今日も昔の絵はがきを使い回してブログにアップ
もう20年ほど前に描いたもの

絵の文面に描いているように
我が家は家から5、6㎞離れた山の畑に
蕎麦を作っていた
作業するのはもっぱら祖母
家で食べるだけの規模だが同時にお茶も作っていたから
モンペ姿に背負いかごで何日も畑まで通っていたのを
覚えている

秋に採れた蕎麦は石臼で粉に挽き 年末に蕎麦に打った
石臼を回すのも 蕎麦に打つのも祖母

使う出汁は家で飼ってた鶏肉から
ネギも唐辛子も自家製 お茶までも自家製だ
素朴な味だが今思えばずいぶん贅沢なことだったと思う

蕎麦は家族だけでなく 町内の親戚の家までその日のうちに届けられた
家では祖父の友人達が茹でたての蕎麦に舌鼓
自家製の十割蕎麦は どんぶりの中でぶつぶつ切れたが
「十割の証拠」と皆がよろこんだ

わしが20歳のころ
祖母は体調を崩し蕎麦を作ることができなくなった

母親が味を再現しようと何度も試行錯誤したが
結局できないままだった

50年過ぎた今でもあの味が舌の奥のほうに
残っている気がする