子宮筋腫由来の貧血が続いていた頃、鉄分の注射で散々お世話になったかかりつけ病院の看護婦さん。
久々に、区の検診で、採血をしてもらうことになった。
看護婦さん、私の肘の内側の静脈をぷにぷに通しながら、
「ほんと、あなたの血管は採血しやすい」
「あはは、結構それ言われる」
「もう、特技だよ」
「特技なの?」
「うん、履歴書に書いていいよ」
「え?なんて書くの?」
「特技:採血って」
「いや、違うでしょ、採血されること、だよね?」
「そうか、そうだねえ」
そう言いながら看護婦さんは、満足げに私の腕から血を抜いた。
もう少しないかな、特技……。