いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

本邦初公開、幻の文字書き人形

2007-01-09 16:31:29 | Weblog
江戸後期から明治初期にかけて活躍した発明家・田中久重(ひさしげ)は、からくり儀右衛門と呼ばれた。
久重が考案・制作した「文字書き人形」が国内で初公開され、見事な文字書きを披瀝している。

150年前にアメリカへ渡り、つい最近まで生活していたので、文字を忘れても思い
出せなかったが、里帰りして記憶を取り戻した。
「寿」1文字しか書けなかった人形は「松」「竹」「梅」の3文字が書けるまでに修復
されている。
「梅」の文字、流麗な筆遣い、文字バランスなどは、ひとかどの書家並みの腕前を
持っている。(写真)
からくり人形はお茶運び、と貧弱なイメージを抱いて江戸東京博物館(東京・両国)
で開催されている「夢大からくり展2007」を観て、改心させられた。

人形を修復した東野進(日本からくり研究会理事長)さんは、人形が文字を書き終
わった後「小物も本物で作られている。筆、硯、脇差、筆刺、印籠などは、本物と同じ
作りになっていて手抜きがない」と、小物をからくり人形の舞台上に並べながら、ひと
つ、ひとつ説明してくれる。

東洋のエジソンと異名のある久重が制作した「茶杓娘」も同時公開されている。
一般に言われている茶運び人形に比して作りが複雑とのことです。また「弓曳(ひ)
き童子」のオリジナルは国内に2体現存しているが、レプリカを制作した研究会の
人形師が「射的実演」をしている。3回の射的で4本の矢が全部的に当たる確率は
マチマチでした。

矢を4本射るが、1本だけ射的に失敗するようにしてあるのがオリジナルらしく、20代
の頃、からくり興行師として大阪・京都・江戸などを行脚した久重の面目躍如と思う。
興行で行く先々の人々を驚かせ、楽しませることをモットーとして「からくり人形」を考案・
制作した久重が残した言葉があります。

『知識は失敗より学ぶ。事を成就するには、志があり、忍耐があり、勇気があり、失敗が
あり、その後に、成就がある』

射的実演をした人形師は、4本の矢を的に当てるように「機巧(からくり)」を創る苦労話
をしてくれましたが、久重の信念に励まされているのかも知れません。

これ見ずして江戸は語れない、特別展『江戸城』を観るのが本来の目的でしたが、本邦
初公開の展示と実演のある「からくり展」があり、終日、大いに楽しみました。
65歳以上のシニアは、観覧料が半額だったのは、もっけの幸いでした。

※特別展『江戸城』及び『夢大からくり展2007』は江戸東京博物館ホームページで
公開しています。


コメント (1)
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