いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

千葉市動物公園 番外編その2:やんちゃ坊主フトシの握力は500kg?

2009-03-26 23:45:16 | 散策
フトシ(写真)は、ボルネオ島の低地部に生息しているボルネオ・オランウータンの仲間です。
スマトラ島に生息するスマトラ・オランウータンは、フトシに比べて細長い顔で、長い体毛の色が淡いようです。
オランウータンが生息しているのは、このふたつの島だけです。 

太い腕に顎をのせて見学者を眺めて楽しむフトシの立派なチークパットと金網を握っているごつい指。
フトシは、丸いオランウータン舎内を一周してくると、このようにして見学者を眺め、次の場所へ移動して再び人間観察を始めます。

フトシは、横浜市野毛山動物園に産まれて直ぐにここへ来たと前回書きましたが、ジャワとハナコとのペアリングで昭和63
(1988)年2月9日に産まれ、平成3(1991)年4月9日に長崎鼻パーキングガーデン(鹿児島県指宿市)へ移ってから千葉へ移住しています。
フトシの父ジャワは日本モンキーセンター(愛知県犬山市)、母ハナコはフエニックス自然動物園(宮崎県宮崎市)から野毛山動物園へ移りペアリングしていたのです。

「フトシ君は、人工哺育で大切に育てられたせいか、少々わがままで、やんちゃで、大のいたずら好き。チンパンジーの調教ではベテランの係員も、ややもてあまし気味です」

フトシの経歴を当たっていると、3歳当時の彼に出会いました。
長崎鼻パーキングガーデンを紹介した記事の「おもしろ動物百科」で、秘蔵っ子、オランウータンのフトシ君として写真入りで取り上げられていたのです。

「来園3カ月で早くも簡単な芸はこなすようになり、平成4年1月1日には記念すべき動物ショーの初舞台を踏みました。その芸風は、普段のフトシ君とはちがって沈着、冷静、そしてマイペースで、目下、人気をひとりじめしているところです」(全国動物園・水族館ガイド)。

帽子をかぶって、大きな口を開けているフトシには、チークパットはありません。
このガイドで紹介されている千葉市動物公園のアイドルはハシビロコウであったことは、その6(3月9日)に書きました。

ところで、霊長類に属しているサル類の分布は、南米に住む新世界ザル、ユーラシア大陸とアフリカにすむ旧世界ザル、マダガスカルに住む原猿ですが、オーストラリア、ニューギニア、北米大陸、ヨーロッパには分布していないのです(白輪剛史著:動物の値段)。ところが、ヒトだけは、地球上の何処にでも分布している霊長類です。

また、オランウータンが霊長類に属する類人猿の仲間であることは、ご存知と思います。
原猿から類人猿へ、類人猿から人へと霊長類は進化してきましたが、類縁的な距離が人に近いのはチンパンジーやゴリラで、オランウータンは遠いんです(動物大百科第3巻霊長類:平凡社)。
とはいっても、オランウータンは、臆病で用心深い「森のヒト」と呼ばれています。
ここでは、サル類の分類は省略しますが、これまでに書いてきたマーモセット類は、新世界ザルの仲間です。

さて、旭山動物園のジャックは体重が約120kgあって、握力は400~500kgあると、同園のオランウータン舎Webにあります。
フトシの体重や握力は聞き漏らしましたが、ジャックと同じくらいか、オランウータンの標準体重70kgはある筈です。大きい手と太くゴツゴツした指は、それを思い起こさせます。

オランウータンがロープにぶら下がって左右に振って遊んでいて、そのふり幅が大きくなって壁に激突しそうになってもロープから手を放さない。そのまま壁に激突して血を流してロープにぶら下がっている。つまり、オランウータンには枝から枝へ飛び移るような敏捷さはないが、落ちない能力はものすごく、つかんだものは放さない(旭山動物園のつくり方)。
オランウータンの空中散歩を可能にした旭山の放餌場は、このような習性を活かして生まれています。

自分の体重を支えられる枝を選んで、枝から枝へ移動するフトシたちには、それだけ丈夫な手が必要ですし、足は手の補助機能を果たしています。片手と片足で枝をつかんでぶら下がり、それをゆすって空いた手で枝をつかみ樹上を移動する野生の姿をフトシは想像している、それとも、3歳で横浜から鹿児島へ移り、そこでの初舞台を懐かしんでいるのでしょうか・・・。

フトシと同居しているナナは、平成2(1990)年4月27日、ここで産まれた千葉っ子で、今年19歳。彼女の父は死に、母は他へ移動してしまい、今は、フトシとのペアリングを待っています。
フトシが長崎鼻パーキングガーデンから千葉へ移住したのは、ナナとペアリングして2世を誕生させるためとのこと(関係者の話)。しかし、フトシとナナとのペアリングの成果はまだのようです。
ちなみに、日本で初めてボルネオ・オランウータンの繁殖に成功したのは、上野動物園。昭和36(1961)年のこと。カリフオルニア・アシカの繁殖にも成功した年です。

やんちゃ坊主だった横浜っ子のフトシと恥かしがり屋の千葉っ子ナナの仔は、何時産まれるのでしょうか。
今は黙して語らずのボケ封じ観音さまだけが、それを知っている・・・。


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千葉市動物公園 その13:つぶらな瞳のオランウータン・フトシ

2009-03-25 16:35:21 | 散策
フトシは横浜市立野毛山動物園に産まれて直ぐここへ来園してから21年になる。
今は、千葉産まれで19歳のナナと暮らしている。ナナの両親は、もうここにはいないと係りのおじさんが説明してくれた。

21歳のフトシは、人の40歳に相当するとの話からすると、脂が乗っている働き盛りの年代にいる。
ドーム型展示場を備えたオランウータン舎は、平成15(2003)年4月に新築されたので、そこでの生活は快適だろうと訪れたら、濡れた眸で見詰めながら元気印の前から去ろうとするフトシ(写真)。

丸い展示場を一周する時、決まった2ヵ所に腰をおろして佇み、見学者を観察して楽しんでいる。写真から1mくらい右側と少し左へ行った所にその場所があり、そこで檻の金網に手を掛けじい~っと外を眺める。フトシの正面でカメラを向けても微動だにしない。

♪♪
  君は何を今 見つめているの
  若い悲しみに 濡れた眸で
  逃げてゆく白い鳩 それとも愛
  君も今日からは ぼくらの仲間
  とびだそう 青空の下へ

そうか、フトシは青空の下へ飛び出たいのだ。
一日の殆どの時間を樹上で過ごす野生の生活に思いを寄せて、自由に行き来する見学者を檻の中から観察している。
本来は、フトシ達が生活している森の様子や季節の移り変わりを感じ、位置関係を熟知した樹から樹へと移動しているのに、丸い展示場の中をグルグル回るだけの毎日。
この後フトシは、展示場の中央に吊ってあるハンモックにドカッと入ってしまった。今日からはぼくらの仲間だ、と呼びかけても仰向けのままです。そ知らぬ顔をして、長くてごつい手の指を眺めているのです。太陽がくれた季節を歌いながら・・・。

赤味を帯びて長く伸びた体毛が気になります。しかし、これはオランウータンの特徴ですね。
大きく発達した頬の肉ひだは、チークパット(頬だこ)と呼ばれ、強いオスを象徴しています。だから、弱いオスは何歳になってもチークパットは大きくならない。ところが、強いオスがいなくなると、それまで弱かったオスはパットを大きく発達させて、1年以内にパッとのあるオスに変身しますから、オス同士の生存は、いつも厳しい競争環境に晒されています。
飼育されているオランウータンのチークパットは、ひだに脂肪が付着してふくれあがったようになりますが、性的成熟に達してから5年前後、12~14歳なったときに発現する二次性徴のひとつです(動物大百科第3巻霊長類・平凡社 他)。

フトシは、発達したチークパット顔。その顔の中で、きれいに澄んだつぶらな眸。
大きな顔とは不釣合いな小さなふたつの眼には、フトシの気持ちを忖度できる気配は無かった。
フトシと対面した時、その小さな目は直ぐに横を向いてしまいましたが、立ち去ろうとしているフトシには、元気印に興味を持っていたことを感じます。
パシャ、パシャと写真を撮りまくる元気印が煩わしく、勝手にしやがれだった。

♪♪
  一緒にいても心だけ
  ひとり勝手に 写真を撮る人
  私はいつも追いてきぼり
  あなたに今日は聞きたいのです
  これっきり これっきり
  もうこれっきりですか

フトシは、横須賀ストーリをもじって訴えてきます。
檻の中から元気印に振り向くフトシのつぶらな眸には、それを感じてしまいます。
  

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千葉市動物公園 その12:額の白い毛が売りのクロミミマーモセット

2009-03-23 05:55:20 | 散策
千葉市動物公園には、10頭(オス4、メス5、不明1)のクロミミマーモセットが飼育されています。
キチンと座ってカメラ目線をくれた礼儀正しいクロミミマーモセットは、額に生えている白い毛と背中の縞がセールスポイントですね。

小さくて甘い果実を好むマーモセットやタマリンは、行動時間の25~30%を食物あさりに充てる果実食者。
枯葉を集めてその中を探索し、枝葉の間をじっと見て、幹の洞や枝の穴や木の裂け目に手をのばして果物、昆虫、木の実、鳥の卵などをあさって食べているようです。
飼育されているクロミミマーモセットの餌は、リンゴ、ミカン、ミルワーム、コオロギ、鳥ササミ、パン、バナナなどです。
ここでの餌情報は確認していませんが、おそらく、類似している餌でしょう。

それにしても、一日の行動時間の3割近くを食べ物を探す時間に費やしているクロミミマーモセットたちには、運動不足に起因する欲求不満は起きないのだろうか?

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千葉市動物公園 その11:ワタボウシタマリンはバックシャン

2009-03-21 15:28:09 | 散策
動物園を訪れて見知らぬ動物に出会うと、その動物を説明したプレートを最初に探し、展示されている動物と説明プレートを撮っておくと写真の整理に便利です。
動物の名前とプレートの説明書きを対比すると色々な想いが湧きますし、それをキーワードにした調査結果との相互チエック機能も果たしてくれます。

動物科学館に展示されているワタボウシタマリンのプレート説明を例にして説明します。

「ワタボウシパンシエ 霊長目 キヌザル科 コロンビア北西部
インディアンの頭かざりのように白い毛のふさがあり、ここからこの名がつけられました。人には聞こえにくい超音波を出してコミユニケーションをしています」

説明プレートの「ワタボウシパンシエ」は、「ワタボウシタマリン」の別称のようですが、それを確認する情報は少なく、「動物大百科第3巻 霊長類」(D.W.マクドナルド編:平凡社)のマーモセットとタマリン21種では、ワタボウシタマリンとして説明しています。

大百科の霊長類分類における霊長目・高等霊長類のサル類は、マーモセット科、オマキザル科、オナガザル科の3科に分けられ、マーモセット(属)とタマリン(属)はマーモセット科に入っています。ワタボウシタマリンはタマリンの仲間(属)です。
他の調べでは、オマキザル科はキヌザル科と呼ばれることもあるので、プレート説明は、それを採用しています。

また、前回書いたシロガオマーモセットは、大百科ではジョフロワマーモセットの名前で説明がありますが、別称は記載されていません。日本に生息している動物は国内向けの呼び名でも構わないでしょうが、外国に生息している動物の場合、プレートの動物名は原産地の名前にしてあると何かと便利です。動物好きの人達にとっても手助けになると思います。

なにはともあれ、個体とそれの説明プレートを連続撮影しておくことは、無駄になりません。

さて、ワタボウシのような白く長い頭部の冠毛を持っているワタボウシタマリンは、黒っぽくゴツゴツした四角顔です。その風貌には、風天の寅さんを思い浮かべるものがあります。
ただし、前頭部から首筋にかけて肩にまで達する白い髪、先端のほうに行くにしたがって黒くなる赤味がかったオレンジ色の長い尾は、風天の寅さんにはありませんから、四角い顔から連想したのです。それにしても、このような連想は大変不躾な話で恐縮しています。ご容赦下さい。

ゴツゴツした四角顔のワタボウシタマリンは、後ろ姿を眺めていても綺麗に見えます。
だから、後ろ姿の美しいタマリン、バックシャンを自覚しているタマリンは、元気印の前の枝を横切ったり、枝の天辺に座ってみたり、後ろを向いて留まったりして、カメラ目線をくれなかったのです。

絶滅危惧種の絶滅に瀕している種に指定されている「はにかみ寅」の仲間は、オス11、メス8の19頭います。これは、4~15頭の拡大家族集団で樹上生活するマーモセットやタマリンでは、集団のひとつです。
その集団は、1日に行動する範囲の3倍の広さの地域を持ち、最大1~2kmを移動している。仲間とのコミユニケーションは、集団の存在を知らせるもの、集団のメンバー間で用いるものなどがあり、そのいずれも、においづけ(マーキング)で行っています。

一夫一妻型の繁殖システムを持つマーモセットとタマリンが、1回の繁殖期間中に子を産むメスは1集団に1頭だけで、年2回(普通は1産2子)子を産みます。
父親や集団の仲間は、子が産まれた時から全員が何らかの形で赤ん坊を運ぶのに手を貸しています。また、赤ん坊や子連れの母親や赤ん坊を運んでいる個体に昆虫などの食べ物を譲ったりもします。オスは生後7~10日の期間だけ赤ん坊を運ぶ手助けをします。
このような協同養育は、霊長類の中で特異なものです(動物大百科第3巻 霊長類)。

「そうだったんですか。では、はにかみ寅の集団は、どのような協同養育をしているの?」

ボケ封じ観音さまのお出ましですが、雲をつかむような質問ですよ。
バックシャンの寅タマリンに聞くしか術はないですね。

<補足情報>
これを書き終わった直後、ワタボウシパンシエの名前で飼育動物を紹介している動物園を見付けました。
大森山動物園(秋田市)のワタボウシパンシエWebです。飼育担当者のコメントもあります。

「サルとしてはあまり敏捷な動きができません。時には木から落ちてケガをするときもあります。
 サルも木から落ちる。このことわざを皆さんも聞いたことがありますよね!もしかしてこのサルから生まれたことわざで 
 は・・・?」

飼育員とワタボウシパンシエとの間に通っている温かい心の交流が窺えますね。

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千葉市動物公園 その10:千葉市産まれのシロガオマーモセットたち

2009-03-21 14:09:02 | 散策
千葉市動物公園の一角に動物科学館があります。
1階の夜行性動物展示室には、フタユビナマケモノ、パカなど9種類の動物がいます。
アマゾンのジャングルを再現した小型サル展示室は2階にあります。
オグロマーモセット、クロミミマーモセット、シロガオマーモセット、ゲルティモンキー、ワタボウシパンシェ、エンペラータマリンが飼育されていることは前回書きましたが、ピグミーマーモセットもいました(千葉市動物公園・動物科学館Web)。

野生の小型サルは、昆虫などの動物をよく食べ、植物の樹液も好みますが、昆虫を食べるサルは、サルの仲間では珍しいようです。マーモセットやタマリンと呼ばれる小型サルは、家族全体で子育てをする特徴があります。オグロマーモセットの母仔が「来園者も気付かない!?小型サル」(産経新聞3月18日:千葉版)で、紹介されていますので、一読をお勧めします。

ところで、シロガオマーモセットが飼育されている日本の動物園は、静岡市日本平動物園、千葉市動物公園、江戸川自然動物園、浜松市動物園、日本モンキーセンターの5園です。
そして、繁殖に成功した動物園は、静岡市日本平動物園、千葉市動物公園だけです(静岡市日本平動物園・シロガオマーモセットWeb他)。ただし、動物商などが繁殖させたシロガオマーモセットが市場で見受けられます。

「シロガオマーモセット 霊長目 キヌザル科 アマゾン河上流域
 コモンマーモセットの亜種で、顔の色をちょうど白黒反対にしたようなもので、他の部分の色は変わりありません。別名ジョフロワマーモセットとも呼ばれています」

と書かれた生息地地図入りの解説があります。これと同じ解説版が他の種類にもあります。
もう少し詳しいことを知りたくなり、動物公園へ電話取材を試みます・
昼休みに掛かった時間でしたが、女性飼育係の方は、次のことを親切に教えてくれました。
それを紹介し、敬意を表します。有難うございました。

「千葉市動物公園にいるシロガオマーモセットは、オス7、メス6、不明1の14頭です。
平成元(1989)年5月に来園した初代のメスは、平成6(1994)年4月に死にました。
ペアで来園したオスは、メスの死により動物商を通じて何処かへ移動しています。
2代目は、死んだり、動物商を通して他へ移動してしまい、現在飼育されている個体は、3代目、4代目になります。

最年少の個体は、昨年1月に産まれた性別が不明の1頭で、抱き上げて確認をするまで性別は判定でません。3代目の最年長個体は、オスが平成12(2000)年4月産まれ、メスが平成19(2007)年3月産まれです」

このシロガオマーモセットは、写真よりも実物の方に貫禄があります。
最年長の3代目、つまり、飼育されているシロガオマーモセットたちの最年長サルで、群れのボスなのかも・・・。

顔の周りにある白い毛並みに乱れもなく、綺麗に整っています。それだけに、威厳のある顔つきをして、両手を足の前に置いて座っている姿は、禅僧が座禅を組んで瞑想に耽っているかのように見えます。



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千葉市動物公園 その9:白い口ひげが自慢のエンペラータマリン

2009-03-18 21:02:17 | 散策
3月15日は日曜日、快晴に誘われて来園したのでしょうか、駐車場はかなり埋まっていました。
アイドル風太の人気は、未だに落ちていません。
風太の放餌場は人だかりしていますが、動物科学館は閑散としており、人懐っこいサル達をジックリ観察できる穴場になっています。

動物科学館の2階には、オグロマーモセット、クロミミマーモセット、シロガオマーモセット、ゲルティモンキー、ワタボウシパンシェ、エンペラータマリンが飼育されています。

白い口ひげと茶色の尾がセールスポイントになっているエンペラータマリン(写真)は、群れを作って樹上で生活しています。中南米に棲息しているオマキザル科に属し、霊長類(れいちょうるい)のひとつの科です。
それは、新世界ザルを構成するひとつの科に属し、マーモセット、タマリン、オマキザル、リスザルの仲間からなっています。

エンペラータマリンの口ひげは10cm近くあるでしょうか?
立派な白い口ひげからは、エンペラー(皇帝)を連想するのでしょう。名前の由来にもなっています。この口ひげは、オス、メス共に生えています。
木の幹と枝を組んで作られた放餌場内の通路をチョロ、チョロ、素早く動き回り、一箇所に止まりません。その内、通路の同じ場所で止まる様子が分かり、予めピントを取ってエンペラータマリンが来るのを待ちます。デジタルカメラに特有のピントを取って記憶する時間が必要なタイムラグを防止し、狙ったチャンスを逃さない工夫です。

ここには、個体の違うエンペラータマリンが止まることが多いので、シャッターチャンスを待ちます。すると、エンペラータマリンはカメラマンに好奇心が湧いたのでしょうか、ついにチャンス到来です。パシャ、パシャ。
撮影した画像をモニターで確認し、再度カメラを向けると、素早く走り去ってしまった・・・。


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千葉市動物公園 ミーアキャット番外編:今日も、体重が気になるホープ

2009-03-15 20:13:31 | 散策
色々と気になることがあり、3月15日、千葉市動物公園へ出向きました。

フンボルトペンギンたちは、「仮想の海」を泳ぎまわっています。
水面に顔を出して、嘴を大きく開けて息を深く吸い込むと再び潜水し、水中を飛びます。
水面に顔を出して息継ぎをする姿から、フンボルトペンギンは水中で呼吸をしないことが分かります。

先日、写真を撮ったハシビロコウは、寝室からゆっくりと歩いて展示場へ出てくると、木靴のような嘴で餌をついばみます。
隣のハシビロコウは、翼を羽ばたくとゆったりとした足取りで金網の柵の間近まで来て、お得意のポーズで佇むのです。
快晴に恵まれた暖かい日には、ハシビロコウも結構運動しますね。残りの1羽は、飼育舎の真中にある寝室に居残りです。

桜の開花情報が伝わってくる今日は、ミルワームを食べているホープ一家に出会えるかと期待が膨らみます。
何時もの習慣で体重計に上がっているホープは、直ぐ分かりました。
中央に座ってホープと同じ方向を見ているのは、多分、ミルミルです。
ホープとミルミルとは反対方向を見ている奥の仔の名は分かりません。

桜散る。ダチョウの卵で作った餌箱(写真左)の周りには、この3頭がいるだけでした。
採餌が終わって遊んでいたモモタロス、ユウト、ハナたちは、休息の時間帯に入ったのでしょう。

結構毛だらけ、ネコ灰だらけ、勝手気ままな入園者の都合通りに、物事進みやせん。
今日、ホープの体重は1.24kgを指しています。
野性のミーアキャットの体重は620~800gですから、毎日、まいにち体重計に上りそっぽを向くホープの恐怖心は、メタボに襲われている元気印のダイエット行動に拍車をかけてきます。

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千葉市動物公園 その8:カメラ目線をくれたミーアキャットの名は?

2009-03-14 11:53:46 | 散策
日光浴を好み、日の出と共の巣を出て、昆虫、クモ、トカゲ、ネズミなどを捕らえるミーアカット、ミーアキャットとも呼ばれているのは、ジャコウネコ科のスリカタが本名です。千葉市動物公園では、ミーアキャットと呼んでいます。

ここで飼育されているミーアキャットは、父親ホープと母親ミルミルの家族です。
平成18(2006)年6月に来園したミルミルは、前年7月に来園していたホープとペアリングして、この年12月にイデアを生んでいます。
それからは、平成19(2007)年7月にモモタロスとユウト、9月にリョウタロウとハナを生んでいます。
ホープ一家は、長男モモタロス、次男ユウト、3男リョウタロウ、長女イデア、次女ハナ。オス4頭、メス3頭で構成されている
7頭の家族です。

ミーアキャット舎の遊具に、体重計とダチョウの卵を利用した餌箱があります。
ホープは、体重計に上がり周りから来る外敵を警戒する習性があるようですから、直ぐに分かる筈です。
ミルワーム(小動物の飼料として飼育される昆虫の幼虫:コメノゴミムシダマシ、チャイロコメノゴミムシダマシなどの幼虫)をダチョウの卵の中に入れた餌箱は、モモタロスやイデアが卵を回すと落ちてくるミルワームを食べられるように工夫されています。

野生のミーアキャットが日没と共に巣穴を出るのは餌を探すためで、散歩をして疲れたから日向ぼっこをするためではありません。餌にありつき腹いっぱいになってから日光浴をすることはあるでしょうが、外敵の餌になるのが関の山ですし、ホープたちが生きている野生の環境では当たり前です。動物園の中で生活していても、見晴らしの利く体重計に上がり外敵を警戒するホープは、一家の主としての自覚を忘れていません。

野生の動物は野原を駆け巡って餌を捕りますが、相手も命がけですから、そう簡単には捕獲できません。狩に失敗し餌にありつけない日だってあります。
餌を探し捕獲するために歩き回っていますから、動物園で与えられる餌を食べる動物たちは、餌に在りつく時間が余りにも短くて欲求不満に陥ることもあるようです。ですから、その時間帯をいかにして長くするか、この知恵比べが各動物園で行われています。
そのような観点から、ダチョウの卵を利用して、卵を回さないと餌のミルワームが落ちないようにした仕掛けのある餌箱に、ホープ一家は大いに満足しているでしょう。

カメラ目線のミーアキャットの前にいるのは、尾の先端に黒い部分が5cmほどある次女のハナでしょう。とすれば、カメラ目線をくれているのは母ミルミルでしょうか。それまでは3頭で遊んでいたのですが、1頭だけ巣穴に入ってしまうと、ミルミルが立ち上がってカメラに目線をくれた、外敵かどうかを窺っていたのです。
ここで飼育されている7頭の個体解説では、ミルミルはホープと交代で体重計に上がっていることが多いようです。ミルミルの子ども達を守る野生本能は衰えていないでしょうから、立ち上がって警戒しているのは、母ミルミルです。


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千葉市動物公園 その7:話題の映画に出演したアカ・ハナグマ

2009-03-11 01:35:19 | Weblog
寅、さくら、リリーの本籍は、千葉市動物公園です。
この3頭のアカ・ハナグマ(写真)は、平成16(2004)年生まれで、今年5歳になります。

写真入りの紹介とは別にアカ・ハナグマを解説したパネルがあります。

「アカ・ハナグマは、主に森林にすみ、日中に行動します。細長くよく曲がる鼻と強力な前足の爪を使い、探し出した虫などの小動物や、上手に木に登り果実も食べます。メスと子どもたちは4~12頭の群れを作っていますが、オスは交尾期以外は単独でくらしています」

雑食性の寅は、身長と同じくらいある尾、横しまのある長い尾でバランスを取りながらロープを渡り始めるのですが、餌に辿りつく前に反転してしまうようです。と言うのは、綱渡りをして餌採(さいじ)する彼らに、未だ遭遇していないからです。

アカ・ハナグマが綱渡りをして餌を捕食する様子は、「旭山動物園物語~ペンギンが空をとぶ~」で観ました。それも、映画のプログラムを読んでいて、寅であると知ったくらいですから、実際に食べている寅の様子を窺うのはこれからです。
おそらく、その機会に遭遇するためには、動物園に通い詰めることになりそうです。
綱渡り捕食は、寅のご機嫌次第になりますから、千載一遇の好機を待つしかありません。

「やけのやんぱち、日焼けのなすび。色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ、入れ歯で歯がたたない、ときたもんだ。
もう一丁いこうか、お猿のオケツはまっかっか。色の黒いが後家さんならば、山のカラスは後家さんばかり」

「男はつらいよ」と香具師(てきや)渡世に生きる、ふうてんの寅さんの啖呵売(たんかばい)で、寅のご機嫌をとる作戦が功を奏するかも・・・。いや、函館の屋台で再会したリリーを連れて行くともっと早くなる。
それまでは、映画に出演している寅を観て我慢です。当分の間、寅の写真もお預けですね。

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千葉市動物公園 その6:名無しの珍鳥・ハシビロコウ

2009-03-09 00:05:42 | 散策
千葉市動物公園には、ハシビロコウが3羽飼育されています。
名無しの権兵衛(ごんべえ)オスが1羽と2羽のメスですが、生年月日は分かりません。
権兵衛たちは、昭和64(1989)年1月に年号が平成に替わった平成元年10月、ここに来園しています。

さて、ハシビロコウを飼育している国内の動物園は、上野動物園5羽、伊豆シャボテン公園1羽、千葉市動物公園の3羽だけです。つまり、ハシビロコウは、日本に9羽しか存在していない珍鳥なのです(平成17年現在)。

日本で飼育されている最年長ハシビロコウは、伊豆シャボテン公園のビル、昭和46(1971)年に来日したオスです。
それから10年後、都内某研究所からビルと番で来園したメスのシューは、昭和59(1984)年3月10日に老衰で死んでいます。生きていれば、今年38年目を迎えます。これは、伊豆シャボテン公園の担当者に調べて頂いた結果です。そして今、ビルとペアリングするメスを導入して、繁殖に向けて努力を続けておられることに敬意を表し、紹介する次第です。その次が、千葉市動物公園の名無しの権兵衛たち、20年目になります。
上野動物園で飼育されているハシビロコウの来日年数は、最長で7年目です。メスのサーナとアサンテは平成14年(2002)年11月、ミリーは平成15(2003)年8月、オスのハトゥーウエは平成17(2005)年7月、シュシュルタンガは平成19(2007)年6月に来日していますが、他の動物園で飼育されているハシビロコウと同じように生年月日の記録はないようです。

ハシビロコウの和名は嘴広鸛。
くちばし(嘴)の ひろ(広)い こうのとり(鸛)を表しています。

全長は約1.2m、大きな頭と木靴のような形の異常に分厚い嘴から、靴のような嘴(Shoe bill stork)の英語名が付けられています。アフリカ中央部の人跡まれな沼沢に生息し、普通は単独か番いで棲む、夜行性の強い習性を持っている鳥。夕方になると水辺の草の中にじっと潜んで、近づいてきた魚、カエル、小型のヘビ、小動物を捕えて食べます。鳴管(めいかん:気管の分岐点にある発声器官)の筋肉が退化しているため、鳴き声は殆ど出さず、上下にくちばしを激しく叩き合わせてカタカタと音を出すクラッタリングで、ディスプレイ(求愛行動)や仲間と合図をする。雛には両親が主としてオタマジャクシを与えて育てます(世界大百科事典、他)。

普通は単独か番いで棲むとありますが、一部屋に3羽入れられた名無しの権兵衛は、1羽が動くと他の2羽も動いて3角形を作り、その3角形を描いてグルグル回って、最初に作った3角形の距離を保っていたのです(千葉市動物公園WEB・不思議の国のハシビロコウ)。

曇天模様のこの日、じい~っと寝室に立っていた権兵衛に出会い、小動物ゾーン、草原ゾーンを回って権兵衛のいる鳥類・水系ゾーンへ戻る頃には、天気が回復していました。
寝室から運動場に出された権兵衛は、快晴の空の下でじい~っと立っていたのです(写真)。
千葉市動物公園の権兵衛は、平成16(2004)年の夏、国内で初めて産卵したのですが、残念ながら無精卵でした(ちば市政だより・若葉区版)。こんなに悔しい思いをしている関係者の気持ちを知ってか知らずか、権兵衛は動きません。

もし、ここで名無しの権兵衛たちに名前を与えると、彼と彼女は安心してペアリングが組めるのでは・・・。
そこなんですよ、千葉市若葉区に棲んでいるハシビロコウが名無しの権兵衛では、都道府県の窓口へ出生届を提出しても受理されませんよ。

千葉の県花は「菜の花」です。
菜の花には、ななしきぶ、菜々みどり、キラリボシ、キザキノナタネなどの種類があります。
それに因んで、オスは、キラリボシ、メスは、ナナシキブ、ミドリナナではどうでしょう?

中央アフリカに棲む野生のハシビロコウは、1,000~2,000羽しか生息していないと言われ、絶滅危惧種に指定されています。伊豆シャボテン公園の担当の方からお聞きした情報では、昨年秋頃、ドイツの動物園で飼育されているハシビロコウの繁殖に成功しているようです。日本の動物園には繁殖例がありませんから、ドイツの動物園の繁殖成功例は、世界で唯一のそれになります。
それだけに、地元千葉市動物公園の住民・キラリボシとナナシキブ、ミドリナナとのペアリングが成功し、権兵衛2世が生まれることに絶大な期待を寄せています。


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