いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

オクラの巣立ち その2 安倍首相辞任の寸感

2007-09-16 13:20:25 | 時の話題
驚き、桃の木、山椒の木。
安倍首相が突然辞任した。それも、臨時国会で所信表明をして2日後、国会で代表質問が始まる数十分前のことであった。

ささやかな晩酌をしていると、TVニュースは安倍首相辞任を特番にしている。一瞬、信じられなかったが、午後2時過ぎの記者会見映像が流れたので、納得した。

『1年弱の安倍政治だったが、歴代内閣が先送りしてきた教育基本法の改正、教育関連3法案の改正、国民投票法の制定、防衛庁の省昇格、公務員法の改革を断行した功績は大きい』(尾山太郎:産経新聞9月13日朝刊)

このような評価との関連で安倍政権の不人気を分析したメディアは少数しか見当たらないだろう。
尾山氏は、安倍内閣の業績評価をしてから、なぜ安倍政治が不評であったかを論じ、次期総裁への提言を行っている。安倍総裁の後、福田総裁を実現すべく工作していた森元首相も、安倍首相の辞任を問われて「6内閣がこなす仕事をした」、とコメントしていた。

中西輝政氏の「9・17の誓と日本の錯覚」を読みたくて、諸君10月号を9日に購入した。
そこには、安倍政権を取り巻く実態が語られている。安倍政権が誕生する経緯から明日へ向けての気構えを提言した内容でしたが、当の安倍首相は辞任してしまった。しかし、次の指摘は尾山氏の指摘した後半部分とも重なっている。

『支持基盤が国民的な広がりを持つ点において、安倍政権は、小渕政権、森政権とは決定的に異なる。朝日新聞や野党はもとより、自民党の旧来型の政治家であれ、連立を組む相手である公明党であれ、その主義主張からいえば、安倍普三という政治家は1日たりとも永らえているところを見たくないというのが、彼らの本音なのだ』

文藝春秋十月号の『組閣ドキュメント「安倍と麻生」小泉切りの密議』(赤坂太郎)も面白い。 

『翌二十八日朝刊の新聞各紙には「派閥会長を起用」「党に仲間、閣僚に保護者」といった見出しが踊り、閣僚数で津島派がゼロから3人へ増えるなど、挙党態勢を派閥単位で読み解く記事が目立った。ただし本質はそこにない』

として、組閣に到る自民党内のドロドロの争いを描いている。
『・・・・・挙党態勢を派閥単位で読み解く記事が目立った。ただし本質はそこにない』
新聞各紙が報じている記事の判断は、読者は複眼を持って行うことが大事です、と赤坂太郎は記者クラブを情報源とする新聞報道のもろさを指摘している。

オクラの実は、自分が大きくなることで、使命を終えた親花を外に押し出す力にして、今まさに巣立ちしようとしている(写真)。
オクラの花は、1日だけの使命を終えるとすぐ萎み始め地面に落ちる。だから、元気印の目に留まることはない。写真のオクラは、萎んで押し出された親花を枝が支えているので、巣立ちの写真に撮ることが出来た。

さて、自民党の総裁選びは麻生氏、福田氏の一騎打となった。1週間後には総裁が決まる。反面、強行採決までして咲かせた法案の花を、安倍首相は実りあるものにする志を持っていたことは想像に難くない。

尾山氏の評価している法案は、安倍首相の目指した「戦後レジームからの脱却」であり、国会会期を延長してまで強行採決しているものもある。当時、野党もメデイアも強行採決を話題にしていたが、野党と国会で審議継続しても永久に合意点は見つからない。そのことを、いみじくも森元首相が漏らしている。「安倍内閣は1年で6内閣の仕事をした」と。

また、塩川元財務大臣は、「安倍首相は性急過ぎたので理解を得られなかったが、任期を6年とした構想で実施すればよかった」と某TVでコメントしていた。しかし、安倍首相は、中西氏の指摘する反安倍パッシング、その風潮に乗って行われる有権者へのアンケート結果とメデイア・コメントを熟知していたから、強行採決を選択肢とした、と元気印は考えている。

安倍内閣の評価は尾山氏が行っている。また、安倍首相の突然辞任評価はこれから行われるであろう。安倍内閣が咲かせた法案の花を、キチンと成熟させ巣立ちさせること。これからの内閣はその使命を完遂することになるし、安倍首相の後任総裁選びのキーワードでもある。




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