いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

千鳥足でつぶやく『映画ばなし』その3:抱腹絶倒して観た「ステキな金縛り」

2011-11-30 20:30:48 | 映画
今年5月に前立腺の全摘出手術を受けて3週間入院しましたが、術後の経過はその病院で毎月1回診てもらっています。
通院の帰途に、病院の近くにある映画館で封切られた、三谷幸喜作・監督の『ステキな金縛り』を観ました。

まず、本篇は別にして、冒頭のタイトルバックから楽しめます。

『Catch me if you can (キャッチ・ミ-・イフ・ユ-・キャン)』(監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ、主演・レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス)を連想した冒頭のタイトルバック。これで、一気に映画の世界に引きずり込まれてしまいます。

そして、エンデイング・タイトルバックは、弁護士(深津 絵里)と恋人(木下 隆行)との後日談を語る仕組みになっている。三谷監督スタッフの心憎い作戦ですから、見逃すには惜しい。

では、映画の感想は・・・。
かって、娘さんであった7人組が映画鑑賞に来ており、「短い2時間半だったね」と囁く感想が小耳に入ったくらいです。
元気印も腹の皮が捩れてしまい、笑い泣きの涙が出てくる。その涙を拭くハンカチを腰ポケットに挿し込んだのも度忘れして、足元を探す始末。伏線シーンが物語の先でどのようにして絡んでくるかを予測するのもこの映画の楽しみですが、見事に肩透かしを食わされてしまい、豊かな発想力に惚れ込む快さがあります。

さて、その昔は映画の途中で映画館へ入場しても、最初から見直したり、面白い映画になると2度観たりしたものです。今日、映画は時間割りに従って観せられているから、それも叶いません。映画館へ再度足を運ぶ気にさせた映画ですし、家内が観たい映画のようなので、近々、金縛りにあった面々に再会することになりそうです。

封切られたばかりの映画のストーリを書くのは野暮ですから、省略します。

打って付けの役を演じきっている三谷作品に集まる俳優たちのキャステイングの妙が、映画特有の味を嗜ませてくれます。
弁護士・宝生エミ(深津 絵里)のボス速水 悠が、密かに習っている趣味を披瀝するシーンがあります。それを演じる阿部 寛は一見の価値ありですよ、本当に!! タクシー運転手の生瀬 勝久、大部屋役者の佐藤 浩市などなど、芸達者が揃って物語を堪能させてくれます。



『ザ・マジックアワー』で、だまされる男・村田 大樹役を演じた佐藤 浩市 は、この役で一皮剥けたと元気印は評価しています。主役を張る俳優が三谷映画になると大部屋役者扱いになり、全力投球を求められている。三谷映画が面白くなるのは言わずもがなですね。大部屋役者が見得を切るシーンでは、きちんと落ちが付いていますから、それも、楽しみですよ。



『THE 有頂天ホテル』での佐藤浩市は、人生崖っぷちの汚職国会議員・武藤田 勝利役に挑戦している。
演技者としての芸の幅を広げようとしている役者根性に、元気印は期待している所以です。
また、申し分のない副支配人・新堂 平吉(役所広司)と張り合う怪しい、料飲部副支配人を演じた生瀬 勝久は、『ステキな金縛り』では別人のタクシー運転手役を得て気を吐いています。西田 敏行演じる落武者・更科 六兵衛に係わる一瞬のカット・センスには驚嘆するばかり。三谷監督のユーモアもさることながら、そのサービス精神に拍手喝采ですよ。



有頂天ホテルに登場する人物は、三谷監督がその役を演じる俳優をイメージして脚本を書き、そのキャステイングが100%実現できた映画になり監督自身が驚いた、とプログラムで明かしています。そして、4年前に撮った『ラジオの時間』のスタッフではなく、まったく新しい編成をしている。スタッフとの間に緊張感が生まれて、予想外の効果が期待できるからのようです。

それにしても、西田 敏行の役柄、死にたがる演歌歌手は心憎い限りです。

プログラムを引用して演歌歌手を説明します。

「初舞台から40年、今や国民誰もが知る大物演歌歌手。明日に公演初日を控えながら、リハーサルですっかり自信をなくしている。部屋に案内してくれたベルボーイ憲二に自殺を手伝って欲しいと泣きすがる」役柄でした。シンガーソングライターを目指しながらホテルで働く泣きつかれるベルボーイ憲二が香取 慎吾です。ご両人の芸歴から言っても真逆の絡みですから、そこに演技者・西田 敏行の役者魂を垣間見た映画でもありました。

この映画で印象に残っている役者がもう一人?います。
老腹話術師(榎本 兵衛)の相方を務めるアヒル、ダブダブです。腹話術ショーが始まる直前に脱走してホテル中を逃走します。物語の繋ぎとなるシーンで大活躍する役割を与えられた幸運な俳優アヒルでした。

マジックアワーで巨大な勢力を持つギャングのボスを演じた西田 敏行。
牛耳る男の異名をもち、仲間を裏切った人間を絶対に許さない暗黒街のボス・天塩 幸之助は、彼の風貌からも適役でした。そのように、元気印は捉えています。

それで、『ステキな金縛り』の西田 敏行は・・・。
ここでは、芸域が広く、奥行きの深い芝居を心得た役者である、とだけ書き留めます。
夫々が金縛りを観て感じた姿が、俳優・西田 敏行の評価になる筈ですから。

この作品に込められた三谷監督の意図は忖度できません。
しかし、元気印は、人の知恵と経験や専門知識だけでは、その事件に潜在している真実の究明は難しい。それは真実を見極める裁判所であっても例外ではない。映画を観終って、映画館が入っているビルの1階にある喫茶店で遅い昼食のサンドイッチを食べ、プログラムを読んでいての感想です。

映画プログラムの転載は禁止されていますので、表紙のみ写真を撮り掲載してあります。
また、僭越とは思いながら、俳優さんの敬称は省略して書いたことをお断りします。

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