いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

千葉市動物公園 その13:つぶらな瞳のオランウータン・フトシ

2009-03-25 16:35:21 | 散策
フトシは横浜市立野毛山動物園に産まれて直ぐここへ来園してから21年になる。
今は、千葉産まれで19歳のナナと暮らしている。ナナの両親は、もうここにはいないと係りのおじさんが説明してくれた。

21歳のフトシは、人の40歳に相当するとの話からすると、脂が乗っている働き盛りの年代にいる。
ドーム型展示場を備えたオランウータン舎は、平成15(2003)年4月に新築されたので、そこでの生活は快適だろうと訪れたら、濡れた眸で見詰めながら元気印の前から去ろうとするフトシ(写真)。

丸い展示場を一周する時、決まった2ヵ所に腰をおろして佇み、見学者を観察して楽しんでいる。写真から1mくらい右側と少し左へ行った所にその場所があり、そこで檻の金網に手を掛けじい~っと外を眺める。フトシの正面でカメラを向けても微動だにしない。

♪♪
  君は何を今 見つめているの
  若い悲しみに 濡れた眸で
  逃げてゆく白い鳩 それとも愛
  君も今日からは ぼくらの仲間
  とびだそう 青空の下へ

そうか、フトシは青空の下へ飛び出たいのだ。
一日の殆どの時間を樹上で過ごす野生の生活に思いを寄せて、自由に行き来する見学者を檻の中から観察している。
本来は、フトシ達が生活している森の様子や季節の移り変わりを感じ、位置関係を熟知した樹から樹へと移動しているのに、丸い展示場の中をグルグル回るだけの毎日。
この後フトシは、展示場の中央に吊ってあるハンモックにドカッと入ってしまった。今日からはぼくらの仲間だ、と呼びかけても仰向けのままです。そ知らぬ顔をして、長くてごつい手の指を眺めているのです。太陽がくれた季節を歌いながら・・・。

赤味を帯びて長く伸びた体毛が気になります。しかし、これはオランウータンの特徴ですね。
大きく発達した頬の肉ひだは、チークパット(頬だこ)と呼ばれ、強いオスを象徴しています。だから、弱いオスは何歳になってもチークパットは大きくならない。ところが、強いオスがいなくなると、それまで弱かったオスはパットを大きく発達させて、1年以内にパッとのあるオスに変身しますから、オス同士の生存は、いつも厳しい競争環境に晒されています。
飼育されているオランウータンのチークパットは、ひだに脂肪が付着してふくれあがったようになりますが、性的成熟に達してから5年前後、12~14歳なったときに発現する二次性徴のひとつです(動物大百科第3巻霊長類・平凡社 他)。

フトシは、発達したチークパット顔。その顔の中で、きれいに澄んだつぶらな眸。
大きな顔とは不釣合いな小さなふたつの眼には、フトシの気持ちを忖度できる気配は無かった。
フトシと対面した時、その小さな目は直ぐに横を向いてしまいましたが、立ち去ろうとしているフトシには、元気印に興味を持っていたことを感じます。
パシャ、パシャと写真を撮りまくる元気印が煩わしく、勝手にしやがれだった。

♪♪
  一緒にいても心だけ
  ひとり勝手に 写真を撮る人
  私はいつも追いてきぼり
  あなたに今日は聞きたいのです
  これっきり これっきり
  もうこれっきりですか

フトシは、横須賀ストーリをもじって訴えてきます。
檻の中から元気印に振り向くフトシのつぶらな眸には、それを感じてしまいます。
  


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