TAZUKO多鶴子

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『香道』…香りを総合芸術にした日本文化

2007-04-28 | TAZUKO多鶴子からの伝言
『香道』という芸道をご存知ですか?
日本文化の中の香りの総合芸術です。
日常を離れ
集中と静寂の世界に香りを楽しむ
遊ぶ事を目的とした芸道。

一定の作法をもとに香木をたき、
立ち上がる香りを鑑賞し
同時に、香席に飾られたり、
手前に使用する道具は美術的要素が高く
書道の要素や文学的要素が加わるなど、
感性と教養を必要とする総合芸術、そして遊び。

香木は595年頃、仏教伝来と共に日本に伝わり
仏教儀式には欠かせないものとして発展したきた。
8世紀頃、貴族や上流階級の間で香をたく風習が生まれ
香りを聞いて(『香道』においては香を「聞く」と表現する)
鑑賞するものとして利用するようになり
結果として日本独自の芸道として発展した。
室町時代の東山文化の頃、
茶道や華道が大成するのと
ほぼ同時期に作法などが大成され
現在の形に近いものになったと考えられている。
江戸時代に入って、一般の町民、庶民に広がり
現在は三流派がある。

『香道』では香木の香質を味覚にたとえて、
「辛」「甘」「酸」「しおからい」「苦」の5種類に分類し
これを「五味」という。
また、その含有樹脂の質と量の違いから6種類に分類し
「六国」と賞する。これらを総じて「六国五味」という。
『組香』という一定したルールに即し
香りの異同を当てて楽しみ、
非情にゲーム性に富むが、
ただしその本質は香りを聞き、
日頃の雑踏の外に身を置いて、
静寂の中でその趣向を味わうことであり、
答えの成否、優劣を競うものでない。

『香十徳』
香道の十の得。古くは香に関する訓や効用を記したもので
香りは量でなく、質が重要としている。
1)感覚が鬼や神のように研ぎ澄まされる。
2)心身を清く浄化する。
3)ケガレを取り除く
(今後のブログでケガレの詳細を
別のテーマで書き込む予定です)
4)眼気を覚ます。
5)孤独感を癒す。
6)忙しい時も和ませる。
7)多くあっても邪魔にならない。
8)少なくても十分香りを放つ。
9)長い時間保存しても朽ちない。
10)常用しても無害

香りを芸術と遊びにして
教養と感性を磨き上げてきた
日本文化の見事さ!
これを忘れてしまうのは本当にもったいない事だと思います。
そして
「茶道」「華道」「香道」等、日本文化に触れることは
ストレスの多い現代人にとって、
何かの大切なヒントになるのではないかと
何度考えてもTAZUKO多鶴子はそう観じるのです。
更に、これからの芸術や文化に於いても…。

参考資料
フリー百科事典『ウィキペディア』