光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

映画『COLD WAR あの歌、2つの心』を観て

2019年07月17日 | 音楽・映画

久し振りに、いい映画を堪能できました。

動機は、新聞の評が、とても良さそうだったのと、新設の映画館

(地元、高島屋立川店に新規オープン)で、座席や音響が良さそ

うという、単純なものでした。 

新聞の評価が良くても、難解ぶった作品など、自分の好みに合わ

ない作品も多く、10本観て、1本ぐらい当たり・・・というのが

現実で、おまけに、年に数本しか観ないので、唸るような映画は

とんとご無沙汰でした。 でも、この作品は大当たりでした。

 

 

映画のポスターです。 白黒ですが、白黒ならではのいい味をだ

していました。

 

 

 この映画の公式サイトなどから、画像を引用して感想を記します。

1949年のポーランド。民族歌謡舞踊団のオーディションに集った一人、ズーラ(主役)という若い女性。

彼女の歌声が気に入ったピアニストのヴィクトル(主役)の後押しもあり、入団。

 

 

 

そこでズーラはダンストレーニングなどを積み重ねる。

 

 

 

 ヴィクトルとズーラは愛し合う関係に。  でも、ズーラは民族歌謡舞踊団の管理者に、ヴィクトルの行動を監視するように言われ

報告していたと告白。

 

 

 

怒ったヴィクトルが立ち去ろうとすると、ドボンと水の音。

ズーラが川に飛び込んで、テーマ曲である「二つの心」をオフェーリアのように歌う場面。

 

 

 

1951年のポーランドのワルシャワ。ここでの公演を成功させた民族歌謡舞踊団。

合唱も見事だった。 この映画は、ミュージカル映画といってもよいくらい。

 

 

 

その後、1952年のベルリン公演で、ヴィクトルは西側に亡命を決意、ズーラも誘って待ち合わせるがズーラは結局、来なかった。

1954年のパリ。公演に来ていたズーラはヴィクトルと再会。同時に愛が再び燃え上がる。

 

 

 

ヴィクトルは、パリで女流詩人の情夫だったり、ズーラも歌舞団の管理部長と結婚していたりと、純愛ものでは決してありません。

フランス語で、「二つの心」をジャズ風に歌うズーラ。 歌詞の中に、オヨヨーという言葉が何回も出て、覚えちゃいました。

 

 

 

 

パリのクラブでの二人。 ズーラの心に鬱屈がたまっていきます。

 

 

 

プレスリーの「rock around the clock」が鳴り出すと、ズーラがカウンタに上がって踊りだす。 その恰好いいこと!

 

 

 

ついにズーラは突然ポーランドに帰ってしまいます。

 

ズーラがいなくなり、荒れるヴィクトルはズーラを追って自身もポーランドに戻ります。

1959年のポーランド。ヴィクトルは捕まってしまい、強制労働に従事し、もうピアノを弾けるような手ではなくなる。

そんな彼の元に、面会に現れたズーラは、愛を確かめ、ヴィクトルを釈放させると告げる。(ズーラは権力者に手を回

せるほど、凄い女性になっていたこと・・・魔性の女を暗示させます)

釈放されたヴィクトルとズーラは・・・・日本の道行き(心中)を想像させる結末ですが、草原だけの映像のなかに

ズーラの声で「向こうに行ってみましょう、景色がいいはずよ」と流れ、エンドロールにバッハのゴールドベルク変奏曲

が美しく流れていきます。

   

うーん、実にカッコイイ、冗長さを削ぎ落し、愛と時代や歌や民族性など、絶妙にブレンドした傑作。 


こちらは、制作時のショットですね。 こんな場面はなかったので、恐らく、編集でカットされたシーンの一つでしょう。

 

 

 

こちらも制作時のショット。 映画の全編、一つ一つのシーンが絵になる画像でした。

そして、この映画は、監督の両親がモデルで、かなり実話に近いとの監督のコメントが、また凄い。

 

以上、6月30日、オープンして2日目のキノシネマ立川で観た感想でした。


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