2014年6月9日。
《波乱万丈のトルクメニスタン編、Vol,3。今回は神が作り出した奇跡の光景「地獄の門」でございます~!》
「トルクメニスタンってどんな観光地があるの?」そう思う方がほとんどではないだろうか。
しかしトルクメニスタンには、来たからには絶対に外すことの出来ない「とんでもない場所」がある。
そこはガスクレーター、通称「地獄の門」と呼ばれているところである。
一応簡単に言葉で説明をさせていただきますと・・・
【これで納得!トルクメニスタン名物ガスクレーター「地獄の門」とは?】
1971年に地質学者がこの地域でボーリングによる採掘調査を行ったのだが、その際に大規模な陥没事故が発生してしまい、50~100mにも及ぶ大きな穴が出来てしまった。発生する有毒ガスを防ぐために火を点けたものの、地下から出続ける天然ガスに引火してしまったため、今でも永遠と燃え続けているという。この地域には天然ガスが豊富に埋蔵されていると考えられており、その埋蔵量が未知のため、いつ火が消えるのかは分からないらしい。そして技術的にも消し止めるのは困難であり、今でも放置され続けているということなのだ。
はい、というのが「地獄の門」なんですね(笑)。
色々な旅人の情報でも「ここはマジですげぇ!」「トルクメニスタンに行ったら絶対に行くべし!」という絶賛の話ばかりである。そんなの聞かされたら、これはもう行かずにはいられないってやつですわ!
僕らのビザはトランジットビザ、滞在は5日間しかできない。ノンビリはしていられないので、ホームステイを終えた僕らは翌日すぐに「地獄の門」へ向けて出発した!
事前に調べていた情報とは少々異なる点もあったので、辿り着くまでにはかなり手こずった。しかし何とか目的のチャイハネ(カフェというか、ドライブインみたいなところ)に到着!
この「地獄の門」はトルクメニスタン中央部にあるカラクム砂漠のど真ん中にある。車でもアクセス可能だが当然お金がバリバリかかってしまうため、ほとんどの旅人は国道沿いにあるチャイハネで車を降り、そこから歩いてガスクレーターを目指すのだ。
目的地はこのチャイハネから真東にある。僕らはこのガスクレーターで野宿して夜を明かすため、夕暮れ前の午後6時半くらいにチャイハネを後にした!
見送ってくれたチャイハネのおばちゃん達。「24時間経っても戻らなかったら、日本大使館に連絡してくれ。」と頼んでおきました(笑)。
進路は東へ東へ、距離にして約6km!
こ~んな砂漠が永遠と続くんです・・・。
最初の目印はこの線路。これに出会えばまずは一安心(笑)!
線路でちょっとはっちゃけ過ぎました。
運がいいと、電車にも遭遇できますよ~!
情報によると、夜になればガスクレーターの明かりで場所が分かるという。しかし僕らはまだ日の高いうちに出発しており、その光を確認することは出来ない。
「こっちの方向で合っているのかな・・・」少しの不安と大きな期待を抱えながら、とにかく東へ東へと進む。
歩き出して2時間ほど経ったであろうか、途中ちょっと遊び過ぎたためけっこう時間がかかってしまったが、目の前に大きな山が見え始めた。
「おお、もしかしてあれじゃねぇか?」
誰かがそう言った。全員なんとなくそんな気がしてその山の方に向かって歩いて行くと、なんと・・・!
その山の隣にとんでもねぇ穴が!
おおお!あれか!あれが噂の「地獄の門」か!!!
いや~ビビったね!
おおお、燃えてる燃えてる!
恐る恐る中を覗き込む。すると、噴出するガスに火が点いている様子がよく分かるのだ。
最初、これは完全に自然の力によって出来たものだと思っていたので、人工的な作業によって出来上がった産物だと知った時は少しがっかりだった(笑)。ま、それはそうだとしても、これはこれですげぇ!
こういう偉大な自然(ではないですね)の前に来ると、人は何故か脱ぎたくなる(笑)。
以前から僕は砂漠に来ると、何故か脱いでいた。目の前の「地獄の門」が強烈過ぎるが、ここは間違いなく砂漠のど真ん中。ということは・・・やらねばならぬ!
えい、脱いじゃえ!まずは上だけ!
それじゃ足りんな、神様に申し訳ない。全部脱いでやれ!
そして何故か相撲!(ケツきたね~)
次は総合格闘技!
そしてガッツポーズ!おし、やりきったぜ!
確かにこの穴自体は人工的な作業をきっかけに出来たものだけど、地下から噴き出してくる天然ガスは間違いなく自然のものだし、それが40年間も燃え続けているなんて圧巻だ。
マジで言葉を失う。そして思わず火に見とれてしまう。
こういうとんでもないものに出会うと、僕は感じるのだ。人間の小ささや己の無力さ、人生の儚さや虚しさを。
そして「今在る自分の価値」を。
もし僕がここに飛び込んだとしよう。僕は一瞬にして燃えてなくなる。
生命からただのモノに、有機物から無機物へと変化する。
人間の生と死の本質なんて、そんなものなのかもしれない。
もし僕が今ここで燃え尽きても、きっと世界は何も変わらない。
また日が昇り、また沈む。
幸せなディナーの席で笑い合う家族のすぐ裏ではどこかで争いが起き、醜く殺し合う。
遠慮なく使い続ける電気や化石燃料のせいで、地球は蝕まれ続ける。
そんな世界のリズムが永遠と続く。
「人間なんて、いっそいない方がいいんじゃないか?」そんな思いさえ過ってしまう。
でも僕は死にたくはない。
いずれは死ぬけど、今はまだ死にたくはない。
それは何故?死への恐怖?生への執着?それとも別の何かのため?
そういうことをよく考えるくせに、僕は全然分かっちゃいない。
でも1つだけ、大きなヒントに出会えた。
この日、なんと偶然日本からのツアー客の方々にこの「地獄の門」で出会えたのだ。それも皆さん80歳を超えるようなご高齢の方ばかり!
すごいパワーだ。マジですごい!
ある方がお話して下さった。「あなた達に出会えて本当に幸せ!」と。
ある方がお話して下さった。「君たちみたいな若者がいれば、日本も安泰だ!」と。
この言葉に僕は何かを感じた。そしてこの「地獄の門」という世界で最も日本人に出会いづらいんじゃないかと思われるような場所で10人以上ものご高齢の日本人に出会え、そしてお話をさせていただけたご縁には、何か大きな意味があるんじゃないかと。
そしてその答えを導き出すのは、他ならぬ自分自身だけなのだ。
翌朝、僕たちは同じ道を通ってチャイハネへと向かった。
後光のように朝日が僕らを照らす。
通りかかった電車にも後光が・・・!
過酷な移動、とんでもないガスクレーター、そして「地獄の門」でのまさかの出会い・・・。
トルクメニスタンは2日目も、僕に忘れることのできない1日を与えてくれた。
「どうやらこの国とは不思議なご縁があるのかもしれないな。」そんなことを考えながら、僕はチャイハネで身体を休めていた。
そして日が高くなる。「トルクメニスタン珍道中」激動の3日目が始まる・・・!
2014年6月9日。久しぶりの寝台車両でちょっとテンションが上がっている、ヌクス~サマルカンド間の列車の中にて。
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《波乱万丈のトルクメニスタン編、Vol,3。今回は神が作り出した奇跡の光景「地獄の門」でございます~!》
「トルクメニスタンってどんな観光地があるの?」そう思う方がほとんどではないだろうか。
しかしトルクメニスタンには、来たからには絶対に外すことの出来ない「とんでもない場所」がある。
そこはガスクレーター、通称「地獄の門」と呼ばれているところである。
一応簡単に言葉で説明をさせていただきますと・・・
【これで納得!トルクメニスタン名物ガスクレーター「地獄の門」とは?】
1971年に地質学者がこの地域でボーリングによる採掘調査を行ったのだが、その際に大規模な陥没事故が発生してしまい、50~100mにも及ぶ大きな穴が出来てしまった。発生する有毒ガスを防ぐために火を点けたものの、地下から出続ける天然ガスに引火してしまったため、今でも永遠と燃え続けているという。この地域には天然ガスが豊富に埋蔵されていると考えられており、その埋蔵量が未知のため、いつ火が消えるのかは分からないらしい。そして技術的にも消し止めるのは困難であり、今でも放置され続けているということなのだ。
はい、というのが「地獄の門」なんですね(笑)。
色々な旅人の情報でも「ここはマジですげぇ!」「トルクメニスタンに行ったら絶対に行くべし!」という絶賛の話ばかりである。そんなの聞かされたら、これはもう行かずにはいられないってやつですわ!
僕らのビザはトランジットビザ、滞在は5日間しかできない。ノンビリはしていられないので、ホームステイを終えた僕らは翌日すぐに「地獄の門」へ向けて出発した!
事前に調べていた情報とは少々異なる点もあったので、辿り着くまでにはかなり手こずった。しかし何とか目的のチャイハネ(カフェというか、ドライブインみたいなところ)に到着!
この「地獄の門」はトルクメニスタン中央部にあるカラクム砂漠のど真ん中にある。車でもアクセス可能だが当然お金がバリバリかかってしまうため、ほとんどの旅人は国道沿いにあるチャイハネで車を降り、そこから歩いてガスクレーターを目指すのだ。
目的地はこのチャイハネから真東にある。僕らはこのガスクレーターで野宿して夜を明かすため、夕暮れ前の午後6時半くらいにチャイハネを後にした!
見送ってくれたチャイハネのおばちゃん達。「24時間経っても戻らなかったら、日本大使館に連絡してくれ。」と頼んでおきました(笑)。
進路は東へ東へ、距離にして約6km!
こ~んな砂漠が永遠と続くんです・・・。
最初の目印はこの線路。これに出会えばまずは一安心(笑)!
線路でちょっとはっちゃけ過ぎました。
運がいいと、電車にも遭遇できますよ~!
情報によると、夜になればガスクレーターの明かりで場所が分かるという。しかし僕らはまだ日の高いうちに出発しており、その光を確認することは出来ない。
「こっちの方向で合っているのかな・・・」少しの不安と大きな期待を抱えながら、とにかく東へ東へと進む。
歩き出して2時間ほど経ったであろうか、途中ちょっと遊び過ぎたためけっこう時間がかかってしまったが、目の前に大きな山が見え始めた。
「おお、もしかしてあれじゃねぇか?」
誰かがそう言った。全員なんとなくそんな気がしてその山の方に向かって歩いて行くと、なんと・・・!
その山の隣にとんでもねぇ穴が!
おおお!あれか!あれが噂の「地獄の門」か!!!
いや~ビビったね!
おおお、燃えてる燃えてる!
恐る恐る中を覗き込む。すると、噴出するガスに火が点いている様子がよく分かるのだ。
最初、これは完全に自然の力によって出来たものだと思っていたので、人工的な作業によって出来上がった産物だと知った時は少しがっかりだった(笑)。ま、それはそうだとしても、これはこれですげぇ!
こういう偉大な自然(ではないですね)の前に来ると、人は何故か脱ぎたくなる(笑)。
以前から僕は砂漠に来ると、何故か脱いでいた。目の前の「地獄の門」が強烈過ぎるが、ここは間違いなく砂漠のど真ん中。ということは・・・やらねばならぬ!
えい、脱いじゃえ!まずは上だけ!
それじゃ足りんな、神様に申し訳ない。全部脱いでやれ!
そして何故か相撲!(ケツきたね~)
次は総合格闘技!
そしてガッツポーズ!おし、やりきったぜ!
確かにこの穴自体は人工的な作業をきっかけに出来たものだけど、地下から噴き出してくる天然ガスは間違いなく自然のものだし、それが40年間も燃え続けているなんて圧巻だ。
マジで言葉を失う。そして思わず火に見とれてしまう。
こういうとんでもないものに出会うと、僕は感じるのだ。人間の小ささや己の無力さ、人生の儚さや虚しさを。
そして「今在る自分の価値」を。
もし僕がここに飛び込んだとしよう。僕は一瞬にして燃えてなくなる。
生命からただのモノに、有機物から無機物へと変化する。
人間の生と死の本質なんて、そんなものなのかもしれない。
もし僕が今ここで燃え尽きても、きっと世界は何も変わらない。
また日が昇り、また沈む。
幸せなディナーの席で笑い合う家族のすぐ裏ではどこかで争いが起き、醜く殺し合う。
遠慮なく使い続ける電気や化石燃料のせいで、地球は蝕まれ続ける。
そんな世界のリズムが永遠と続く。
「人間なんて、いっそいない方がいいんじゃないか?」そんな思いさえ過ってしまう。
でも僕は死にたくはない。
いずれは死ぬけど、今はまだ死にたくはない。
それは何故?死への恐怖?生への執着?それとも別の何かのため?
そういうことをよく考えるくせに、僕は全然分かっちゃいない。
でも1つだけ、大きなヒントに出会えた。
この日、なんと偶然日本からのツアー客の方々にこの「地獄の門」で出会えたのだ。それも皆さん80歳を超えるようなご高齢の方ばかり!
すごいパワーだ。マジですごい!
ある方がお話して下さった。「あなた達に出会えて本当に幸せ!」と。
ある方がお話して下さった。「君たちみたいな若者がいれば、日本も安泰だ!」と。
この言葉に僕は何かを感じた。そしてこの「地獄の門」という世界で最も日本人に出会いづらいんじゃないかと思われるような場所で10人以上ものご高齢の日本人に出会え、そしてお話をさせていただけたご縁には、何か大きな意味があるんじゃないかと。
そしてその答えを導き出すのは、他ならぬ自分自身だけなのだ。
翌朝、僕たちは同じ道を通ってチャイハネへと向かった。
後光のように朝日が僕らを照らす。
通りかかった電車にも後光が・・・!
過酷な移動、とんでもないガスクレーター、そして「地獄の門」でのまさかの出会い・・・。
トルクメニスタンは2日目も、僕に忘れることのできない1日を与えてくれた。
「どうやらこの国とは不思議なご縁があるのかもしれないな。」そんなことを考えながら、僕はチャイハネで身体を休めていた。
そして日が高くなる。「トルクメニスタン珍道中」激動の3日目が始まる・・・!
2014年6月9日。久しぶりの寝台車両でちょっとテンションが上がっている、ヌクス~サマルカンド間の列車の中にて。
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